第35話「昇給の悩みを解決する唯一の方法」
2019-05-08
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昇給額決定で重要なのは事前の説明です。いつも私はセミナーで、昇給・賞与の決め方で一番ベストな方法は「経営者の勘」だと申し上げます。経営者が常日頃社員の成長を確認しているため、言葉では言い表せないほど様々なことを確認し、そして昇給・賞与を決めています。
この場合、社員から「社長、昇給はどうやって決めていますか?」と聞かれたら、
「勘で決めている」と答えればそれで終了です。
もっとも社員が、「社長の勘は当たりますか?」と聞いてきたら、
「間違いなく当たる」と答えてもらえば、それで追加の質問は出てきません。
今まで成長塾に来られた経営者の半分は人事制度や賃金制度をお持ちではありませんでした。だからこそ昇給を決める際に悩まれます。
ただし、「では、悩んだ結果、昇給を出すことを諦めましたか?」と質問すると、全員から同じ答えが返ってきます。
「出しました」
昇給を決めることに悩んでいることは間違いないでしょう。しかし、出したことも事実です。
例えば、新人の社員と中堅の社員と幹部社員では昇給金額が違うのです。一般職層と中堅職層と管理職層では昇給金額が違うのです。また、同じ階層の中でも昇給金額が違うのです。
なぜ違うのでしょうか?経営者はこう答えます。
「やはり違いがあるから」
では、その「違い」がなんであるかを仕組みに落とし込めばいいのです。この「違い」は昇給を決めてきた経営者以外にはわかりません。
その違いを明らかにすると、成長等級の違いだったり、成長点数の違いだったりします。その違いによって昇給が違うのだと説明できればいいのです。そして、そのために必要なのが賃金制度なのです。
ただし、今まで決めてきた金額は、新しい賃金制度を作っても一切変わらないようにしなければなりません。違う金額になってはだめです。
経営者の決めてきた昇給額は間違っていません。問題は、「説明できないこと」。それだけです。
昇給の決め方を可視化すると、一般職層での昇給額の違い、中堅職層での昇給額の違い、管理職層での昇給額の違いが全部説明できるようになります。
昇給額を決めるのは経営者の大切な仕事であることは間違いないでしょう。しかし、経営者が考えていたことを可視化して仕組みに落とし込むと、それはすべて一つの仕組みにすることができます。
昇給を決める朝に経営者がボタンを1つ押すだけで、全社員の昇給額が算出されてきます。
「この昇給額は今まで私が決めてきた通りの金額である」
経営者がこう言えたら仕組みは完成です。経営者の考え方が埋め込まれた仕組み。この仕組みをつくることによって経営者はもう昇給のことで悩むことはありません。
社員もどんな時に昇給が多いか、少ないかということが分かります。もっとも、昇給が少ないときには減らしているのではなく、基本的には会社の業績に影響されていることも分かるでしょう。
多くの経営者の心配事で一番大きいのは、昇給額が去年より減ると社員がモチベーションを下げてしまうのではないかということです。
ただし、そのような考え方で業績に関係なく昇給をしてしまうと、大変なことになります。
業績の厳しい時には厳しい昇給になることを、仕組みを通じて社員に事前に教えることが必要です。これができたら仮に去年よりも昇給額が少なくなっても、不平・不満を言う社員は一人もいなくなります。
これが仕組みをつくるということなのです。
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