第31話「理想にしない成長シートの作り方」
2019-03-25
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最近、成長シートの期待成果に「生産性」を入れる経営者がぐんと増えました。これからの企業は社員の成果の高さよりも、生産性の高さを求めることになります。そのため、この成長シートの期待成果に生産性を入れる企業が増えたのです。その生産性を入れる時に私は経営者にお尋ねします。
「今までこの生産性で社員を評価してきましたか?」
その答えにほぼ9割以上の経営者が、「いや、大切だから今回の成長シートに入れようと考えています」とお答えになります。
これは確かに、経営者として生産性を社員の成果として褒めたいという気持ちの表れであることは間違いありません。しかし、この成長シートに生産性を入れたら必ずやらなければならないことがあります。
それはその成長要素のウェートを0(ゼロ)にすることです。
生産性を成長シートに入れて成長したことを確認する要素とはするけれど、社員の成長点数に算入せず、評価や処遇に反映させることはないということです。これを経営者から聞いて、社員は安心します。
なぜなら今まで評価していなかったことを、突然評価の対象にすることに社員は戸惑いを感じるからです。
なおかつ、「では、その生産性を高めるためには何をしたらいいですか?」という部下の質問に対して、現時点では具体的に答えることが出来ません。モデルとなる優秀な社員や生産性を上げるための重要業務が特定できていないためです。
生産性の高さが褒めてもらえると分かれば、社員はその生産性向上に取り組むでしょう。もちろん、すべてが成功する訳ではありません。様々なことに挑戦し、2~3割が上手くいくくらいの成功率です。
そして上手くいった重要業務をすべての社員に共有化する中で、これをやることによって生産性が向上することが確認できたら、初めてウェートに数字が入ります。そのようになるには、ほぼ1年かかるでしょう。これによって社員は、新しい成長要素が成長シートに加わっても決して不利な評価をされることがないことを知ります。
成長シートはすべての社員を成長させるものであり、突然経営者が声をあげて、やっていなかったことを評価する、ということを伝えるものではありません。
もしそういうことをしたら、社員は「社長がまた始まった…」とうそぶくだけで本格的に取り組もうとはしません。
経営者ですから、新しいことに取り組みたい気持ちは十分分かります。しかし、それが社員の成長の確認だけではなく、処遇に反映させることがあれば「納得できない」という社員の気持ちは強くなります。
新しい成長要素を入れる場合には、最初はウェート0(ゼロ)にする作り方をしてもらう必要があります。
※次回の今週の提言は、4/8の配信予定です。
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