第30話「季節変動がある会社の成長基準のつくり方」
2019-03-18
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成長シートをつくった経営者が陥る過ちで最も多いのものは、成長シートを理想にしてしまうことです。成長シートは我が社にいる優秀な社員をモデルにしてつくります。理想にはしません。
全ての企業の問題は、優秀な社員=高い成果を上げている社員がいるにもかかわらず、なかなか成果の上がらない社員がいることです。その成果の差を一気に埋めるために作成するのがこの成長シートです。
優秀な社員は高い成果を上げています。高い成果を上げている理由は、死ぬ気でもやる気でもありません。もちろんそれがゼロではありませんが、根本の理由は、成果を上げるための(重要)業務をやっていることです。成果の上がっていない社員は、その重要業務を知りません。
高い成果を上げている社員はどのような重要業務をしているかを伝え、全ての社員を優秀にしていくためにこの成長シートをつくります。
つまり成長シートで優秀な社員を評価したとき、その社員の成長点数が80点以上になることが成長シートを作成するときの一つの目安です。この優秀な社員を上げている成果を成長基準の5点に記入することがポイントです。
ところが、この成果に関しては業種によっては季節変動があり、季節によって大きく業績が変動する場合があります。それは季節変動による変動であり、社員の能力の変動ではありません。
そのため成長基準が季節によって異なるのであれば、成長シートの成長基準は四半期ごとに最大4種類つくる必要があります。時期によって成果の違いがあるのは、社員の重要業務の遂行度の違いではないことを知ってもらうことです。
このことを成長シート内で明確にしていないために、どうしても経営者は最終的な評価を調整することになります。
もちろん経営者の調整が無ければ、社員の昇給・賞与は経営者の納得する形で決定することはできません。しかし逆に経営者が調整を行っている以上は、これを後継者に正確に伝えることはできません。
経営者が最終的に鉛筆なめなめ何を調整しているのか。その一つがこの成長基準の評価です。
それを季節変動に合わせてつくることができれば、そのための調整をする必要はなくなります。
人事制度は経営者の必要である調整を全て仕組みに落とし込むことによって、今後は調整する必要が無いようにすることです。多くの経営者に次のことを尋ねてきました。
「去年のその調整はどんな内容でしたか?」
この質問に明確に答えられた経営者は未だに一人もいません。半年も前のことは忘れてしまうのです。
賞与を決めるのは基本的に年に2回です。去年どのように決めたかを正確に覚えている経営者はいません。その調整を全部仕組みにすることです。仕組みにした結果、社員はとても分かりやすくなります。
成長したら、そして業績が良くなったら自分の賞与が増えることが1年前に分かるようになります。こうして安心して社員はこの会社に定着して成長するようになるのです。
社員成長のインフラとも言える、成長シートの作成が必要です。やがて経営者が調整を行うことなく昇給・賞与を決めることが可能になります。
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