第23話「社員の不平・不満が人事制度の品質を100%にする」

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第23話「社員の不平・不満が人事制度の品質を100%にする」

2019-01-28

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人事制度は会社が作成して、社員に説明します。そのため、社員から意見を聞くことはあり得ません。また、説明後に変更することは皆無です。しかし成長塾では、今までの人事制度を導入した経験のある経営者からすれば、驚きとしか思えないようなことをアドバイスしています。

それは、人事制度を導入したら社員からあらゆる意見を聞いて、対応することです。

我が社のすべての社員は、我が社で活躍したいと考えています。我が社で成長したいと考えています。その成長の確認をするために評価をします。

入社した社員が優秀な成長点数、たとえば80点以上を簡単に獲得できることはありません。通常は10年以上かかります。

毎年少しずつ成長して、その成長点数を重ねていきます。万が一、その成長点数に納得できなかったら、社員はこの会社で40年も継続して成長することは無理です。また、毎日一生懸命やっていることが評価されないと分かったら、社員は成長を止めます。それはどの企業でも同じです。

そのために、構築した人事制度を運用する段階で、社員から不平・不満と思えるものも含めて質問があったら、全部聞かなければなりません。

ただし、その質問のうち80%は誤解です。

なぜならこの人事制度を作った経営者は、社員の成長、そして物心両面の豊かさ、そして社員の幸せを考えている経営者です。

社員をダメにしようとは考えていません。不公平に評価しようとも考えていません。そのため、質問の回答を聞きながら社員は様々な点で誤解していたことに気づき、経営者の考えを理解できます。

ただし、社員の質問の中には20%程度、経営者が考えていなかった問題点が見い出せることがあります。それは素直に見直しが必要です。

たとえば日商30万円の売上のお店と、100万円の売上のお店と、500万円の売上のお店があったとします。売上高が期待成果として評価の対象であれば、売上高は高い方が良いに決まっています。

ところが、本当にこの売上高の違いはそれぞれのお店の店長または社員の力によるものでしょうか。それに納得できないという日商30万円の店長が質問してきたら、それに応えなければなりません。

実はある会社の経営者は、売上高で昇給・賞与を決めてはいませんでした。

売上高は、客数と客単価の掛け算で算出されます。客数の違いは店長や社員の力ではなく、立地によって違うことが分かっていました。そのため、この会社の経営者は客単価で評価していたのです。

おおむね小売業の店長は、異動を嫌がります。特に立地条件の良いお店に配属された店長は、異動を嫌がります。しかし、この会社のように客単価で評価している会社では、店長は異動に反対することはありません。

もっとも、すべてのお店を経験していない人が次の管理職にステップアップして店長を指導する立場になることはできないでしょう。

このように人事制度を変更をしながら運用していくと、いつか社員から不平・不満がなくなります。この時に人事制度の品質は100%になります。品質が100%になったら、社員はこの会社を辞めることはなくなります。

人事上の問題は、多くの場合「臭いものに蓋」です。解決をせずに放置されることが多いのです。

しかし、すべての人事上の問題を解決する会社に勤めた社員は、この会社の素晴らしさをますます感じ、この会社に全力で人生をかけることになるでしょう。

定着率100%の会社になることは間違いありません。



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