第6話「日本のステップアップは卒業方式」
2018-09-24
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経営者からの相談の1つに、
「中堅職層にステップアップさせた社員が部下指導が出来ない」
という悩ましい相談があります。
ほとんどが中堅職層になったばかりの社員に対する相談です。この中堅職層の社員は次のような相談を経営者にしています。
「社長、私は部下を3人任せられました。それから1か月間一生懸命彼らの指導に努力しましたが、残念ながら自分の思った通りに彼らを指導することは出来ません。強く言った時は反発をされたこともあります。私は部下指導の仕事には向いていません。私から3人の部下を外してください」
この相談がきっかけです。この相談を受けた経営者はなんと言うでしょうか。
同じことを言います。
「そうか、期待したけれど残念ですね。分かりました。では3人の部下をあなたから外しましょう」
しかし、この対応は根本的に間違っています。
日本では、部下指導ができるから中堅職にステップアップさせるのではないのです。一般職層でプレイヤーの仕事が優れていたこと、さらに高い成果を上げていたので中堅職層にステップアップさせるのです。
中堅職層にステップアップした段階では、部下指導(重要業務)は成長基準5段階で1点の段階からのスタートであることを経営者は忘れています。中堅職層になった本人も期待されているので部下指導が出来ると勘違いしているのでしょう。そのためこのような残念なやりとりになるのです。
今後は一般職層で優秀な社員を中堅職層にステップアップさせるときに、経営者は次のことを言ってください。
「あなたが中堅職層にステップアップしたら部下を任せることになりますが、部下を指導するという業務はこれから失敗を繰り返しながら徐々に上手になっていきます。
今あなたは部下指導(重要業務)の成長基準は1点です。すべての上司は全員この1点からスタートしました。2・3年経てばあなたは少し部下指導が出来るようになり、また2・3年経てばほぼ部下指導をすることが出来るようになり、段々上手になっていきます。
あなたが言ったことを聞かない部下もいるでしょう。反発する部下もいるでしょう。上司は全員経験したことです。心配せずに部下指導に取りくんでください」
これを説明することによって、上司になった社員が残念な発言をすることはなくなります。すべての社員がそうなのです。部下指導は中堅職層で初めて取り組むのです。
欧米とは違います。マネジメントを出来る人がマネジメントを行うという考え方を日本ではとっていません。
そのことに早く気がついて事前に説明をしてもらいたいと思います。そして残念な上司にならないように指導してください。
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