株式会社ホンダプラザ石巻様(新車、中古車、車両販売 宮城県)
株式会社ホンダプラザ石巻様
株式会社ホンダプラザ石巻は、2012年2月に新しい人事制度を導入しました。同社の新しい人事評価制度について代表取締役 太田卓男氏と、店長 太田徹氏に伺いました。
(株式会社ホンダプラザ石巻について)
ホンダプラザ石巻は、宮城県石巻市にあるホンダの自動車販売店です。業務内容は、新車販売をメインに車検や修理・整備、保険代理業など。全国ホンダ販売店のACS賞を5年連続で受賞。
創業:1985年2月、資本金:3120万円、年間売上:10億9千万円(年間販売台数:390台)、従業員:20名
1.後継者に会社を渡すためのツールを探してきました
2.後継者を成長塾に連れて行けば会社を渡すためのツールができると確信
3.悩みがあるなら直接本人に会って、話を聞くことが一番です
4.成長塾では人事制度を手作りするので間違いなく運用できます
5.成長塾と成長シート
6.残業時間を減らしても顧客数と営業一人当たりの粗利は増えています
7.ENTOENTOへの今後の期待
1. 後継者に会社を渡すためのツールを探してきました
― 会社の成り立ちについて教えてください。
私は1968年に、父親が経営していた太田商店というガソリンスタンドと整備工場を事業承継しました。会社を継いでみたものの、当時は他店との競争が激しく、思うように業績を伸ばせない時期が続いてとても悩みました。
学生時代、経営工学やマーケティングについて勉強していたので知識はありましたが、実際に会社を経営してみると勝手が違います。太田商店では商売を勉強しながら、少しずつ会社の業績を改善してきました。
その後自動車販売店に業態転換をして、1985年に現・ホンダプラザ石巻をつくりあげました。
― 人事制度が必要だと思うようになったきっかけを教えて下さい。
後継経営者の店長(ご子息 太田徹氏)に、私が太田商店で経験した商取引の厳しさ、会社経営の難しさを伝えることは困難です。後継者へ会社を渡した時に、経営理念や給与制度、業務マニュアルなど経営に関係するすべての要素をまとめるツールがないと大変だろうと思いました。親心ですね。
2.後継者を成長塾に連れていけば会社を渡すためのツールができると確信
― ENTOENTOの成長塾に出会うまでの経緯を教えて下さい。
会社をまとめるための経営ツールを探すために、友人から紹介を受けた地元経営者の勉強会や経営コンサルティング会社のセミナーなどに積極的に参加しました。
2008年頃、業界新聞でENTOENTOの小冊子販売の広告を見つけました。
小冊子を取り寄せて読んでみると、経営理念と給与を結びつける仕組み、スタッフの労働意欲向上の方法、賃金上昇率のモデルケースなど、必要としていた仕組みが数多く掲載されていました。
小冊子で勉強を重ねるうちに、ENTOENTOの松本先生から直接話を聴いてみたくなりました。2010年11月と12月に東京で行われた人事労務に関するセミナーをそれぞれ受講したところ、自分が抱えている課題に当てはまる答えを得た気持ちになりました。
あとは、成長塾に申し込んで後継者を連れていけば、会社を円滑に渡すための経営ツールができあがると確信しました。
3.悩みがあるなら直接本人に会って、話を聞くことが一番です
― セミナーを受講した動機を教えて下さい。
松本先生の小冊子を読んで成長支援制度に対する価値観に共感できたので、ENTOENTOのセミナーを受講すれば自社で活用できるヒントが得られると期待がありました。
また、書籍やホームページでは情報に限りがあるので、成長支援制度が弊社にふさわしい仕組みなのか松本先生に直接質問したいと思いました。
悩みがあるなら直接本人に会って、話を聞くことが一番です。
― 成長塾にはいつ頃参加しましたか。
松本先生の人事労務問題のセミナーを受講して手応えを感じたので、その翌月に申し込みをしました。
2011年2月に後継者を連れて、成長塾第1回目の講義を東京に受けに行きました。
4.成長塾では成長支援制度を手作りするので間違いなく運用できます
― 成長塾に参加する前に、他の人事制度コンサルティング会社などから話を聞きましたか。
大手経営コンサルティング会社のセミナーや地元経営者の勉強会に参加して人事制度や事業承継について話を聞きました。
コンサルタントや講師が語る内容は、自身が経験していないことを理論だけで説明していることが多く、後付でいかようにも解釈できる内容ばかりでした。
一方、成長支援制度は松本先生が前職時代に現場で必要性を感じて手探りで作り上げた経緯があるので、実務で利用できる現実的な制度です。
また、多くの人事労務コンサルタントには「システムを作っておしまい」という発想があるように思います。
他社が人事制度を導入した話では、はじめはコンサルタントからマニュアルや人事シートなどの提供がありましたが、制度を運用する段階でサポートがなくなってしまい、その会社では人事制度が機能しなかったようです。
コンサルタントからマニュアルや各種シートを提供されても、その背景となる仕組みが理解できないと運用できません。
成長塾では自分たちで成長支援制度を手作りするので、導入しても間違いなく運用できると確信しました。
他社が提供する人事制度と大きな違いがあり、私は成長支援制度の導入を決めました。
5.成長塾と成長シート
― 成長塾に参加した感想を教えて下さい。
2011年2月、後継者の店長(ご子息 太田徹氏)を「成長塾という人事制度の勉強会があるから行こうよ」と誘いました。突然誘ったので、彼は成長塾に参加する理由がわからないような状態でした。
しかし、初回の成長塾のセミナーで何か得るものがあったようで、次回セミナーからは自分ひとりで参加すると宣言しました。自社と自分自身にとって成長支援制度の必要性を大いに感じたのだと思います。
― 成長支援制度について教えて下さい。
成長支援制度とはスタッフの成長を計測し、その成長を促すための制度です。
成長シートに会社がスタッフに期待する姿を明確化して記載しているので、スタッフは自分の成長段階を知ることができます。
成長シートには、結果(成果の実現度)と業務プロセス(重要業務の習得度、知識・技術の遂行度、勤務態度の順守度)の評価項目があり、このシートに基づいて、経営幹部とスタッフ本人がそれぞれ採点して評価します。
その評価点に応じて賞与や昇給を決めることが可能です。
この成長シートでは、スタッフの業務を明確化して、具体的なプロセスを決めます。
後継者はベテラン社員を成長塾に連れていって成長シートの土台をつくり、業務やプロセスの詳細は現場スタッフに確認していました。
成長シートの作成はすべて後継者に任せて、私は悩みがあれば答える補佐役に徹しました。
― 成長支援制度の導入は円滑に行きましたか。
成長支援制度を導入するために、6ヶ月にわたり後継者とベテランのスタッフが成長塾に通っていたので皆何かをやるんだろうなと感じ取っていたようです。そして事前に成長支援制度について目的と仕組みを皆に伝えていたので大きな混乱はありませんでした。
今後は、後継者とスタッフが試行錯誤しながら会社の理想像を考えて、到達できるよう努力してくれることを期待しています。
6.残業時間を減らしても、顧客数と営業一人当たりの粗利は増えています
― 成長支援制度の導入で何がどのように変わりましたか。
成長支援制度の導入前後(※)を比較すると、次のような成果が上がりました。
残業時間を減らしながらも、顧客数と営業スタッフ一人当たりの粗利が増えています。その結果、経常利益が増えました。成長シートに基づいて皆が優れたノウハウを共有して、行動を起こした成果です。
※2011年は震災復興の影響があるため単純な比較が困難なので、
グラフでは2010年と2012年の比較になっています。
― 社長は成果をどのように評価しますか。
成長支援制度による成果は数字に現れています。
成長シートで経営目標達成のための活動を逆算して仕事をするプロセスが明確になり、評価できるようになったことが大きな成功要因ではないかと考えています。
成長支援制度を導入する以前は、車の販売台数など結果でしか評価していなかったので、スタッフも何をどうすればいいのか具体的な行動が分からなかったのかもしれません。
7.ENTOENTOへの今後の期待
― ENTOENTOへの今後の期待をお話ください。
ENTOENTOの成長支援制度は毎年進化しています。
後継者に成長支援制度を軸に進化した経営の体系的なノウハウを教えて下さい。
これからも、後継者が相談することもあるかと思いますがよろしくお願いします。
株式会社ホンダプラザ石巻様、お忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。
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※ 取材日時 2013年
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