株式会社ビジネスアシスト様(メディア事業・採用支援事業 山口県)
株式会社ビジネスアシストは、山口県を地盤とする広告代理店です。
同社が発行するフリーマガジンは、「山口県内では、人が集まるところには必ずと言っていいほど置いてある」媒体であり、地元での認知度は非常に高い会社です。
代表取締役 山根康男氏にお話を伺いました。
1.株式会社ビジネスアシストについて
2.どのように人事制度を作り何を得たのか
3.試行錯誤を繰り返した二年間
4.成長塾、松本先生との出会い
5.社員の成長と一体感
6.人事制度の目的は業績を上げること
7.楽をせず正面から取り組めば必ず結果が出る
1.株式会社ビジネスアシストについて
- ビジネスアシストの概要を教えてください。
1989年(平成元年)現社長の私が創業しました。従業員数は正社員72名、パート5名(2012年12月現在)、年間の売上高は8億1,350万円(2012年4月期)になります。
- 主な業務内容を教えてください。
当社はフリーマガジン三紙の発行を主力にした、広告代理業を行う会社です。
三紙の読み方はいずれも、「もってけ」ですが、お店の情報誌である『MOTTEKE』、不動産の情報誌である『モッテケ!』、求人情報誌である『もってけ!』の各誌を発行、コンビニエンスストアなどで無料配布しております。
そして、学生に向けた就職情報サイト「マイナビ2014」の代理店の事業も行っております。具体的には、サイトに掲載する企業を取材し、記事の作成、写真撮影を行います。さらにマイナビが主催する、転職のセミナーの運営業務なども行います。
2.どのように人事制度を作り何を得たのか
- 成長塾とは、どのような考えを教えてくれることろですか。
【1】 大企業のまねをしても、人事制度は上手くいかない。中小企業には中小企業のやり方がある。
【2】 制度を作るのは、業績を上げるため。形だけ整えても意味が無い。
【3】 頭に負荷を掛けて考えないと、答えは見つからない。
私が、成長塾の松本先生から、学んだ考え方をまとめれば、以上の三つになります。
- その考え方は、どんな方法で実務に反映されますか。
上記の、「成長シート」というものを作り、社員を評価する項目を、目に見える形にしていきます。
ただ、一般的な人事考課表とは違い、このシートは社員が「見る」物です。さらに、一方的に上司が点数をつけるわけではなく、部下とのやり取りの中で、評価を決定します。
- 成長シートの項目を教えてください。
大きく分けると、期待成果(の実現度)、重要業務(の遂行度)、知識・技術(の習得度)、勤務態度(の遵守度)の四つで、社員の成長度合いを確認するためのシートです。
いわゆる「歩合給」の会社は、この四つの項目のうち、期待成果しか評価しないと言えるでしょう。しかし、「歩合給」には、スタンドプレーに走る社員が多くなるという欠点があります。
当社の営業社員も、かつては「歩合給」であった時代がありました。詳しいことは後で話しますが、新しい人事制度に改めて歩合給をやめて以来、会社の業績は順調に伸びております。成長塾、そして、松本先生と出会って良かったと感謝しています。
3.試行錯誤を繰り返した二年間
- 人事制度を作ろうと思ったのは、いつのことですか。
2000年(平成十二年)です。当時のスタッフは四十名ほどでしたが、昇給・昇格・賞与に関する基準はありませんでした。言ってみれば、私の頭の中で全てを処理していたわけですが、「もうそろそろ、限界だな」と感じておりました。
- 松本先生を知る前に、誰かに相談しましたか。
別の経営コンサルタントと、人事制度を含めた、会社のあり方について話し合いました。あわせて、自分なりに本を読んだり、勉強しましたが、その多くは大企業に向けてのノウハウであり、使えない物でした。
- そういった状況は、どのぐらい続きましたか。
約二年続きました。ちょうど、日韓でワールドカップが開催された前後だったと思います。
4.成長塾、松本先生との出会い
- 松本先生のことは、どのようにして知りましたか。
ある業界紙に、松本先生が出されていた広告です。内容は、人事制度に悩んでいる人に、書籍を進呈しますという物でした。
- その本を読んで、どのような感想を持ちましたか。
書いてある内容は、納得のいく物でした。しかし、当社がそれを実行できるかというと、難しそうだという意識が先に立ちました。さらに、山口から、東京で行われる成長塾に参加するのは、距離もあって、ちょっとおっくうだなと感じていました。
その後、しばらくして、福岡で成長塾が行われるという告知がありました。それに初めて参加しました。
- 松本先生の印象はどうでしたか。
我々と同じ「雰囲気」を感じたといいましょうか、実際に中小企業に勤務され、場数を踏んだ先生の話は、とてもシンプルでわかりやすかったです。
さらに良かったのは、書き込むシートが少なかったことです。他のコンサルでよく、小難しい「何とかシート」をたくさん出されることがありますが、全く違いましたね。
成長塾は、マンツーマンではなく、十社に対して話すスタイルのコンサルティングです。それもあると思いますが、松本先生の対話力、スピード、判断力には舌を巻きます。やはり、実地で訓練を受けて来た人は、違うと感じました。
- 成長塾は連続の六講座をワンクールとして行われます。その時を含めて、これまでに何クール参加されましたか。
全部で3クールになります。成長シートは、一度作れば終わりという物ではありません。常に変化し続けるものです。例えば、遅刻する社員が多い職場では、その項目が必要になりますが、なくなればさらに高いレベルの項目を考えます。
今の当社には、どの項目が必要なのかを発見する上で、松本先生の講義は刺激になります。最近行われている成長塾は、部門の責任者に受講させています。現在は彼らが、部下の成長シートを作成しています。
- 成長シートの導入にあたって、社員はどのような反応でしたか。
当初は当惑していた印象もありました。しかし、程なく理解してくれました。
5.社員の成長と一体感
- 社長の目から見て、社員は成長されていますか。
はい。確実に成長していると思います。
当社の採用計画は、五年を一つの世代として、ピラミッド型の人数配分になるように考えています。成長塾に参加して、十年経過しますが、スタッフは順調に育っています。部長クラスの年齢は、四十五歳です。
松本先生の著書に、「社員がプレイヤーからマネージャーに成長して行くことを、多くの社長は望んでいる」と書いてありました。私も同感です。
- 一人ひとりの成長とあわせて、会社としてのまとまりを感じることはありますか。
当社は平成十年から毎年、社員旅行に行っています。旅行といっても、九州の北部を中心とした近場がほとんどですが、特別な事情で、一二名が欠席するのを除いて、毎回ほぼ全員が参加しています。そういった一体感も、普段の仕事から培われていると感じます。
当社もかつては、歩合給の制度がありました。しかしこれだと、松本先生が指摘しているように、成績のいい社員は自分の成績を上げることしか考えません。「ライバル」である同僚や後輩に、自分の「財産」と思い込んでいる「上手くいくための方法」を積極的に教える社員は、少ないのが現実でした。
成長塾に通うようになってから、当社では歩合給を一切やめました。そして、成長の評価と給与・賞与の査定、さらには、社員教育をリンクさせるようになりました。
一つの成長シートで、今まで悩んでいたそれらのことが、改善されていきました。この仕組みは素晴らしいと思います。
- 成長塾に参加する以前から、続けていることはありますか。
当社では、職種ごとに全部マニュアルを作成しています。新人が入ってくると、まずその内容を覚えてもらいます。二週間掛けて、はじめから最後まで勉強し、それが終わるとテストを行います。それをワンクールとして、3クール行います。習熟度は高いと思います。
成長シートの項目を決めるにあたっては、このように既にある仕組みの活用も含まれます。ヒントは提供されますが、内容は会社によって違うという、松本先生のお話はその通りだと思います。
6.人事制度の目的は業績を上げること
- 一緒に成長塾を受講した他社の社長と、交流はありますか。
今でも情報交換をしています。勤務体系などは共通する事柄もあり、参考になりますね。
その反面、会社として持っている知識や技術、重要な業務や、社員に期待する成果は異なります。あくまでも、当社の業務内容に基づいて方針を決めています。
松本先生がよく言われることがあります。それは、「魚力(うおりき)<注> 松本先生が独立前に勤務していた会社。現在、東証二部上場」ではこうでしたが、皆さんの所はどうですか。という話です。それぞれの会社は、みな努力している。どちらが良くて、どちらが悪いというよりも、自らの頭で答えを出して欲しい。そんな思いが感じられます。
- 人事制度のことを、成長塾を知らない、他社の人とお話しすることはありますか。
折に触れて、「成長塾はいいですよ」という話はしています。ただ、よその人の話を聞いてみると、利益を出すために人事制度を作るとは思っていない。作ること自体が目的になっている感があります。
人事制度の構築は、設備投資と同じように、業績を上げるための大切な仕事です。ただそういうことを理解できないのが、過去の私も含めて、多くの中小企業の社長だと思います。
7.楽をせず正面から取り組めば必ず結果が出る
- このインタビューの読者に、伝えたいメッセージがあればお願いします。
松本先生のコンサルティングは、払ったお金に見合う成果が出る。このことは間違いないと思います。しかし、そのためには、楽な方向に逃げない自分で汗をかく覚悟が必要です。このことを最後にお伝えします。
ビジネスアシスト様、お忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。
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※ 取材日時 2013年
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