この書籍の出版のきっかけは40年前に、
「何かの縁で集ったこの社員を物心両面で豊かに、そして幸せにしてあげたい」
そう話す5K産業と言われた魚屋の経営者と出会ったことです。
当時その会社にあった130時間のサービス残業の解消に取り組みました。私が出会った経営者は「魚屋のように大変な仕事をしている社員だからこそ、サービス残業なしで、しかも完全週休2日制にしたい」と高い目標を掲げたのです。
「前例がない。無理だよ」
経営者仲間からは笑われました。
しかし、経営者はその目標に向かうことをやめませんでした。今までやってきたことを元に社員を成長させる仕組みを人事制度としてまとめあげ、運用しました。
そしてたった8年間でサービス残業の解消のみならず、次のことを実現したのです。
すべて業界初です。
◎ 定着率 70% ⇒ 95%
◎ 労働分配率 67% ⇒ 37%
◎ 経常利益率 0.1% ⇒ 9%
◎ サービス残業 130H ⇒ 0H
◎ 人時生産性 2,600円/人時 ⇒ 5,600円/人時
どうしてこのようなことが実現できてしまったのか。
その答えの1つは、日本的な経営です。
欧米で生まれた経営学では経営の目的を「経営資源(人・金・物・情報)を活用し企業利益の最大化する」としています。
しかし、日本の経営者は社員を経営資源とは考えていません。
家族だと考え、「幸せにしてあげたい」と考えています。
この書籍は日本の人事制度の大きな転換期を意味するものとなるでしょう。
この書籍は私がつくったのではありません。社員を幸せにしたいという多くの経営者の実践によってつくられたものです。
日本的な経営がこれからの日本をさらに強くすることを証明してくれるでしょう。
どうぞ、現在の経営をさらに豊かにするためにこの書籍をお役立てください。
この書籍のお申込み方法は簡単です。フォームに必要事項をご記入の上、送信ボタンを押してください。
ご推薦をいただきました
成長制度が自社の強みであると社員から意見が出ました。
社員満足は職場をより明るくします!
田代珈琲株式会社 代表取締役 田代和弘 様 (大阪府)
(キャリア支援企業表彰2012年厚生労働大臣表彰受賞)
導入後、年商は5倍になり、4倍に増えた社員の離職率は
ほぼゼロになりました。
税理士法人大樹 代表社員 五藤一樹 先生 (愛知県)
離職率60%という職場がTSUTAYA1,400店舗の頂点にまで
登りつめられたのは、この仕組みのおかげです。
株式会社シューコーポレーション 代表取締役 北 修 様 (富山県)
(2009年TSUTAYA STAFF CONFERENCEグランプリ獲得)
やる気がある社員ほど独立するものだと誤解していました。
成長シートで組織風土が変わり、定着率が大幅改善しました。
有限会社中井レストラン企画 代表取締役 中井深 様 (大阪府)
後継者として創業者の想いを可視化。社員の成長と業績の
向上が一致することを目の当たりにしました。
株式会社和晃 代表取締役 永田竜太郎 様 (滋賀県)
成果を上げるためのプロセスが可視化され、未経験の新卒を
後継者にできるほど成長させることができました。
株式会社インパム 代表取締役会長 岩田冨士夫 様 (岡山県)
この制度は評価や処遇が明確で社員は安心して、私は納得し
ています。規模拡大できる基盤が整いました。
株式会社システムサーバー 代表取締役社長 鈴木秀美 様 (愛知県)
評価や処遇で社員に対して説明できないことがなくなり、
導入後は離職者ゼロ、売上高前年対比122%です。
有限会社藤井牧場 代表取締役 藤井雄一郎 様 (北海道)
社員のみならずパートさんが急成長。仕事に満足感を持ち、
業界50%ダウンの中、売上高は15%アップしました。
株式会社群協製作所 代表取締役 遠山昇 様 (群馬県)
全社員がお互いに助け合って成長し、全社員5年連続賞与10か月。
社内の食事会や旅行の参加率はほぼ100%です。
株式会社ビジネスアシスト 代表取締役 山根康男 様 (山口県)
後継者とともにこの人事制度づくりに取り組んだことでたった
3年で事業継承が終わりました。
株式会社ホンダプラザ石巻 代表取締役 太田卓男 様 (宮城県)
経営理念のため歩合給を廃止。社員が順調に成長して離職率
が低下。リーマンショック後も売上は前年比14%増でした
びわこホーム株式会社 代表取締役会長 上田裕康 様 (滋賀県)
(2011年「カンブリア宮殿」出演)
本 書 の 構 成
[第1篇]社員が成長し業績が上がる仕組み
1章 会社が成長するための<3つの人事のカベ>
5K職場だった「魚力」の成長/3年で社員が入れ替わる/労働分配率が67%から37%へ大幅改善/会社が成長するための3つの人事のカベ/【第1の節目】社員を定着させる/【第2の節目】社員を成長させる/全社員で成果を出すやり方を共有する/社員の成長にともなって事業を拡大/【第3の節目】新卒を採用する/採用のための三種の神器/人事制度は好循環の経営をするためにある
2章 社員の不平不満がなくなる人事制度
会社の発展と社員の幸福を一致させる/仕事を教え合う組織風土が大事/すべての社員が高い成果を上げるには/社員の不満を引き出す/労働組合が結成された/【社員の不平不満1】不平不満があっても言い出せない/【社員の不平不満2】この会社で働いてどうなるか、先が見えない/【社員の不平不満3】どう評価され給料や賞与が決まるのかわからない/【社員の不平不満4】頑張って目標を達成したのに賞与が増えない/【社員の不平不満5】希望しない部署に異動させられた/【社員の不平不満6】仕事ができない人の賃金が多い/【社員の不平不満7】成果を出したいが成果の出し方がわからない/【社員の不平不満8】同じ仕事をしているのに賃金が違う/【社員の不平不満9】目標が高すぎてヤル気がしない/【社員の不平不満10】部署や上司によって評価がマチマチで不公平だ
3章 社員が成長する人事制度の体系
4つの仕組みで動く人事制度
1. 成長支援制度
2. ステップアップ制度
3. 教育制度
4. 賃金制度
※制度の土台は「成長支援制度」です。
一つずつ順番に構築して、4つの制度が回り出すと、
経営の好循環が力強く動き出します。
[第2篇]社員が成長する人事制度のつくり方
4章 社員の成長を支援する<成長支援制度>
成長支援制度の作成手順/①作成する成長シートの種類の検討/優秀な社員を示す2種類の成長シート/3つの成長階層の役割/成長シートをつくる順番/②ライン職の成長シートの作成/成長シートの構成要素は3つ/優秀な社員になるための成長要素を可視化する/各成長要素の項目に何をもってくるか/経営者の価値観をあらわすウェート/5点満点の成長基準/ライン職の成長シート/③スタッフ職の成長シートの作成/④プロフェッショナル職の成長シートの作成/マネジメントコースとプロフェッショナルコースの違い/同じ業種でも成長シートの内容は違っている/成長支援会議の運営/評価の不平不満を解消する/⑥評価のフィードバックの実施 他
5章 成長の階段を上る<ステップアップ制度>
ステップアップ制度の作成手順/①成長等級体系運用表の作成/社員に示す成長の階段/②昇格基準設定表の作成/何点とれば一つ上の等級に上がれるか/降格基準設定表の作成/③初任格付け表の作成/入社時の等級を決める/中途採用者の格付け/筆記試験・面接試験は不要/④昇格要件表にまとめる/一つ上の等級に上がる要件/仮格付け決定基準表をつくる/昇進基準をつくる
6章 効果が測定できる<教育制度>
①教育課題の発見方法/コストパフォーマンスの高い教育課題/②誰が重要業務のやり方を知っているか/③誰がその知識・技術を知っているか/④知識・技術の内容の整理/⑤教育訓練計画表の作成/教育計画は年間で立てる 他
7章 社員が納得する<賃金制度>
①現行賃金制度の問題の整理/②新賃金体系の相関表の作成/旧賃金体系から新賃金体系へ/③新賃金体系の設計/④賃金表の作成/年齢給を支給しますか?/勤続給を支給しますか?/成長給は必須です/⑤諸手当表の作成/モデル賃金表をつくる/昇給の決め方/業績がいい時と悪い時/昇給額が負担になる?/賞与の決め方/賞与原資をオープンにする/賞与の配分の仕方 他
【巻末資料】6業種の成長シートの事例など15点