第230話 賃金表の見直しが必要になりました
2024-10-23 [記事URL]
☆NEW!☆【11/21開催】「賃上げ率5%原資づくりセミナー」申込受付開始!
弊社が開催している「成長塾」は、2024年10月現在でこれまで1400社の企業が修了されました。
成長塾では、経営者の今までの評価や賃金の決め方を可視化して、経営者の想いを仕組みにします。そのため、賃金制度は過去の賃金支給実績をベースにつくります。経営者がこれまでやってきた評価を基に昇給・賞与の決め方を仕組みにしたのが賃金制度です。
過去に成長塾に参加された企業で、経営目標を実現したときの平均賃上げ率は1.8%でした。これまでの大手企業が2%前後の賃上げであった時代を考えれば、1.8%は競争力のある賃上げ率といえたでしょう。
ところが、これから日本の賃上げ率は毎年最低5%以上が求められるようになります。当然、これまでの賃上げ率1.8%の実現を考えると、5%の賃上げは難しいでしょう。しかし、社員からすれば5%以上賃上げしている企業の名前が次から次へと報道されているため、ほとんどの企業が賃上げ率5%以上になっていると錯覚している可能性があります。もはや、賃上げ率について社員が納得のいくような説明をしなければ、定着することはありません。賃上げ率が5%未満では、社員は次の転職先を検討するようになるでしょう。
これから社員の転職を引き留めるためには、賃上げ率5%以上を実現できる経営目標を発表することが求められるようになりました。このとき、たとえ今まで以上に高い経営目標であったとしても、実現することで賃上げ率5%が約束されているのであれば、全社一丸となって経営目標の実現を目指すようになります。
しかし、ここで必要なのが1.8%の賃上げ率を基につくった賃金表を、賃上げ率5%を実現するために見直すことです。
成長塾でつくる賃金制度は、基本給の内訳が「属人給」と社員の成長度合いによって変わる「成長給®」で占められています。社員の成長に伴い昇給する際は、この「成長給」で昇給することになります。基本的には、この昇給するときの金額が今よりも平均倍以上の金額になるよう見直しをしなければ、5%の賃上げは難しくなってきます。
成長塾のように、経営者自身が賃金制度をつくったのであれば、自分でこの見直しをすることができるでしょう。しかし、コンサルタントから既成の賃金表をもらった経営者は、自分で賃金表を見直すことができません。
これから毎年最低賃金が5%以上上がると、社員の昇給額も毎年8000円以上昇給することになります。そのため賃金表は、場合によっては1年に1回は見直しをする必要があるでしょう。
これは、自分で賃金制度をつくった経営者にとっては決して難しいことではありません。仕組みがあればボタン一つで見直しをすることができます。さらに、社員にどのような点を見直したのか説明すること自体も仕組み上でできるため、苦労することはありません。
これからの高賃上げ率の時代においては、すでに鉛筆なめなめで賃金を決めることは不可能になりました。それではとても社員には説明できませんので、将来に対する不安から定着率は悪化してしまいます。現時点で、仕組みで昇給・賞与を決めることのできない会社は、仕組みをつくり、見直しまでできるようにしてください。すでに賃金表をお持ちの方は、5%賃上げ時代に合った形で見直すことをおすすめします。
今まで賃金は勘で決めてきたので社員に説明できないという方は、至急対策が必要です。なぜなら、説明できなければ社員は定着しません。ぜひ成長塾に参加して、貴社独自の賃金制度をつくってください。成長塾では賃金表を簡単に作成できる仕組みがあります。
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第229話 「私の賃金は来年増えますか?」に何と答えますか!
2024-10-16 [記事URL]
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今までの日本では、社員が賃金について直接経営者に質問することはほとんどありませんでした。それは今もあまり変わりはないかもしれません。
ところが、徐々に「賃金について質問しにくる社員が増えてきた」と、経営者から相談を受けるようになってきました。多くの経営者は戸惑いを隠すことができません。
これまで賃上げのニュースは、4月~5月を過ぎると目にすることはほとんどなかったでしょう。しかし今は9月~10月になっても賃上げのニュースがさまざまなマスコミで取り上げられています。日経新聞だけではなく読売新聞や毎日新聞にも、連日賃上げのニュースが掲載されています。
中小企業の社員も日常茶飯時に賃上げのニュースを見聞きしているのです。そのため、当然ながら自分の賃金を見て「この会社に勤め続けるとどのぐらい賃金が上がっていくのだろうか?」と疑問を持つことは当然の成り行きでしょう。
いつか社員から賃上げに関する質問を受けるときが来るでしょう。このとき、経営者の答える内容は決まっています。
「会社の業績が良くて、あなたが成長していけば賃金は増えます。安心して頑張りなさい」
今までであればこの回答で納得させることができたかもしれません。しかし、高い賃上げ時代の今において、これは全く通用しない回答になりました。
これからの日本では「会社の業績が○○で社員の成長が△△であるときの賃上げ率(賃上げ額)はいくらになるのか!」と具体的な数字で明示しなければならなくなりました。
これができなければ社員は経営者の発言を信じることはありません。
「今まで自分は頑張ってきたし、会社の業績もそこそこいいようだけど、思ったほど賃上げされていないな」と思った社員は「今後も賃上げされてもこんなもんか」と思うようになるでしょう。
そう思い始めた社員、中でも特に優秀な社員は転職を考えるようになります。これは今までとは比にならないほど転職市場が盛んになっていることが証明しています。自社の賃上げに納得できない社員を対象にした転職情報が目白押しです。広告などで常に目に入っているでしょう。社員の自宅にも有名な転職会社のチラシが頻繁に入るようになりました。
そのため、会社の業績と社員の賃上げがどのように関係しているか、具体的に明示することが求められる時代になりました。これはもう先送りはできません。仮に来年以降の賃上げ率は5%が当たり前になったら、社員は5%賃上げする会社に転職しようと強く思うようになるでしょう。社員からすれば、賃上げ率1%の会社と5%の会社どちらがいい会社かというと、5%賃上げする会社の方が社員を大事にする会社と判断をするのは当然といえば当然でしょう。
そこで、自社でも業績のいい時は5%賃上げすることもあり得ると社員に説明しなければなりません。経営者の単なるリップサービスではなく、社員が会社の発表した賃上げ率を自分で具体的に計算できるような仕組みが必要です。
「業績がこれくらいで、これくらい成長していたら賃上げ率は何%になる」と経営目標の発表時点で社員が計算できるようにするのです。例えば、経営目標を実現できれば賃上げ率は5%になると分かれば、全社員経営目標を実現しようとします。これは、現時点で例外は一社もありません。
ここまで仕組みができている会社は、日本では0.1%程度の割合です。それが今後の社員の定着、そして新たな人材を確保するときの大きな武器となるでしょう。
これができれば、社員はこの会社がとてもいい会社であることがはっきりと分かり、成長していくことになります。この会社で成長すればするほど業績が向上し、結果として賃金が増えることが明確に分かったからです。
もし5%の賃上げが難しいとお考えの中小企業の経営者がいましたら、今すぐ成長塾に参加して、社員を成長させるための利他主義人事制度をつくってこれからの経営環境に打ち勝ってください。
私は前勤務先で10年以上、毎年5%の賃上げを実現しました。中小企業でも「その気」になって、この人事制度を導入すれば5%賃上げが可能です。この人事制度をつくり5%賃上げを実現した中小企業が続出しています。
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第228話 経営計画書に記載し忘れていませんか?
2024-10-09 [記事URL]
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経営計画書の役割は、企業が掲げた経営目標を実現することです。やるべきことを全社員に告知し、全社員で経営目標の達成を目指します。
経営計画書を活用して経営目標を目指すことになりますが、全社員が本気で「この経営目標を実現しよう」と意識したときに初めて、経営計画書は有効になります。
今の激動の時代においては、事業年度の最初に掲げたやるべきことが年間を通して変わらない可能性はほとんどなくなりました。このことを知っている社員は、この経営計画書に記載されているやるべきことは常に変化すると理解しているでしょう。
しかし、全社員が本当にこの経営目標を実現したいと考えていなければ、経営目標は絵に描いた餅でしかありません。これまでの経験上で申し上げると、会社が掲げた経営目標を必達だと考えている社員は2割程度と考えています。残りの8割は、この目標を実現しようと必死に行動してはいないでしょう。
経営者であればこの現実を知ってはいますが、解決するのは難しいと思っています。しかし、全社員が「この経営目標は必達だ!」と考えるようにすることは可能なのです。それは経営計画書の中にあることを一つ載せるだけです。
「この経営目標を実現すると、賃上げ率は5%になる」
つまり、経営目標を実現すれば○○%賃上げできると明確にするのです。
経営目標を達成したときの賃上げ率は簡単に計算することができます。事前に計算できますので、この賃上げ率を発表することは全く経営上のリスクがありません。それどころか、社員が全員必死になって、この目標を実現しようと成長するようになります。会社にとってこれほどいいことはありません。
近年、この賃上げに関して「防衛的賃上げ」という言葉が使われるようになりましたが、これは絶対してはいけないことです。最初に社員の成長があり、それによって会社の業績が向上して賃上げするための原資ができてはじめて賃上げすることができます。
全社員が成長して経営目標が実現しない限り、経営目標の実現、ひいては賃上げするための原資を確保することは、これからの日本では難しいでしょう。経営目標の発表と同時に賃上げ率も発表することが必須になりました。
最近、このことを実践している経営者が増えてきました。経営計画書の中にこの目標が達成できたら賃上げ率は何%になるのかを記載しています。それだけではありません。賞与原資は前年と比べてどのぐらい増えるのか、賞与まで示している経営者も増えてきました。その結果、社員の経営目標に対する意識が全く変わってきたといいます。
中には、掲げた経営目標以上の実績になったという企業もあります。社員は経営計画書を見て、経営目標を実現するためにやるべきことをしっかりやり、成果が上がらなければやることを変えるといったことを日常茶飯事のように取り組み、そして成長していったのです。
大切なことは、賃上げ率を上げる以上に賃上げ率を上げられる社員に成長させることです。これが今経営者の最も大事な業務になったでしょう。
現在、経営計画書がある企業は経営目標を達成できたときに昇給・賞与がどうなるか、賃上げ率とその金額を経営目標を発表する時点で掲げなければならない時代になりました。
この経営目標と賃上げ率、賃金原資の関係をどのように設計したらいいのか分からない方は成長塾にお越しください。
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第227話 賃上げ原資はどこにある
2024-10-02 [記事URL]
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「賃上げ率5%」がこれから毎年のように続くことになります。一般的に、中小企業がこの賃上げ率を実現するためには、価格転嫁によって賃上げの原資を確保することが最優先だといわれています。しかし、大手企業が中小企業の価格交渉に簡単に応えることはないでしょう。
大事なことは大手企業に価格交渉しなくても良い商品・サービスを開発することです。中小企業はこれから、大手企業でも思いつかないような新しい商品・サービスを考えて提供することを継続的に行わない限り、毎年5%以上の賃上げに適応することはできません。
そのため、大手企業に価格転嫁を期待するよりも、自主的に賃上げ原資をつくらなければならないことに早く気付き、新たな商品開発にすぐに取り組まなければならないのです。
商品開発に必要なことはお客様のニーズが分かっていることです。社員は常にさまざまなお客様とコミュニケーションを取っていますが、その中にはニーズが必ず含まれています。お客様の困っていること、悩んでいることを解決するのが私たちの仕事だとすれば、そのニーズに対応できる商品・サービスを開発する必要があるでしょう。
しかし、これは経営者の仕事ではありません。経営者は現場で常にお客様の対応をしているわけではないからです。
10月にシリーズ最新作が公開される「踊る大捜査線」の第1作で青島刑事が言ったことを、私たちはもう一度思い出さなければなりません。それは「事件は現場で起きている」です。ニーズは現場にあります。現場で働いている社員がお客様のニーズを的確に把握し、そしてそのニーズに応える商品・サービスを把握し、会社全体で開発する必要があるでしょう。
賃上げのための原資をつくるためには、自社の社員をお客様のニーズに応え、問題を解決することができるよう成長させることが必要であることに気が付いてください。お客様のニーズは常に時代によって変わっていきます。その変化に適応できるよう自社の社員を成長させることがとても重要です。
ここで知っていただきたいのは、どの会社にも必ずお客様のニーズに対応できている社員がいることです。この社員は必ず高い成果を上げています。高い成果を上げている社員の特徴は、お客様の困りごと、ニーズに対応していることです。その社員が何をして成果を上げているのかをまとめ、全ての社員に共有してください。
そこで活用するのが「成長シートⓇ」です。高い成果を上げている優秀な社員はどうして優秀なのかを1枚の成長シートにまとめて共有化することで、全社員がこの厳しい時代でも高い成果を上げることができます。
中小企業の経営者は、自社には賃上げするための賃金原資を増やす方法が既にあることに早く気がつき、賃金原資をさらに大きくしなければなりません。これから始まる毎年5%以上の賃上げ時代に適応するためには、社員に優秀になってもらう取り組み以外に方法はないのです。一早く取り組むことが必要です。この取り組みを今すぐ始めたい方は成長塾にお越しください。
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第226話 賃上げ率の発表が社員のやる気を生んだ
2024-09-25 [記事URL]
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最近「防衛的賃上げ」という言葉を頻繁に聞くようになりました。これは業績が悪くても賃上げすることであり、その理由は、賃上げしなければ社員が流出してしまうと恐れているからです。
この一時的な社員の流出を防ぐために行った防衛的賃上げは、一度すれば毎年行わなければならなくなります。それはとりもなおさず、社員に業績に関係なく毎年賃上げされると教育することになるでしょう。
通常、賃上げは会社の業績によって左右されます。賃上げ率が高いということは業績が良かったことを意味し、賃上げ率が低い場合は業績が悪かったことを意味します。このことを通じて、社員に大事な教育をしなければなりません。それは「全社員の賃上げをしようと考えていますので、今期の経営目標を実現することを全員で取り組みましょう」と説明し、賃上げができるよう社員を成長させていくことです。
賃上げ率が低いからといって社員が辞めるのであれば、それは仕方のないことでしょう。しかし、社員に対して「会社の業績と賃上げ率は連動していて、業績が良ければ5%以上賃上げすることもできる」と説明できたらどうでしょうか。
基本的には業績連動で決めている賃上げ率を、大手企業でも業績と連動した形で事前に発表している会社はそう多くありません。そのため、中小企業ではこの業績と賃上げ率の関係を説明できることで人事上で有利になります。特に、経営目標を発表している会社であれば、なおさら説明をしなければなりません。
今、弊社のコンサルティング指導先である中小企業の多くは、急遽経営目標と合わせて賃上げ率を発表するように指導しています。それによって社員は一人残らず「この経営目標は必達だ」と考えるようになりました。
賃上げ額は社員それぞれ違いますが、賃上げ率は全ての社員に関係するものであり、誰かが高くて誰かが低いということではありません。業績が全ての社員の賃上げ額を左右することを学ばせる良い機会が来ました。
万が一、今年は残念ながら防衛的賃上げをしてしまったとしても、来年の経営目標発表時には賃上げ率を併せて発表してください。
これまでの弊社のコンサルティング指導先では、過去20年間で賃上げ率は平均2%前後でした。この賃上げ率でも社員から不平不満が出ることはありませんでした。ところが、今後は経営目標を達成することができれば賃上げ率は5%以上になると説明をすると、全社員はその目標達成に意欲的になります。万が一、経営目標が実現できず賃上げ率が5%を下回ったとしても、辞める社員は一人もいないでしょう。自分達で高い賃上げを獲得できると分かったからです。
そして、賃上げ率が5%になるかどうかが1年後になって初めて分かるようでは遅すぎます。毎月の業績を見れば経営目標の達成に近づいているかどうかはっきりと分かることで、社員のモチベーションが今までとは格段に変わったという報告もあります。
これからは「経営目標」と「賃上げ率」を一緒に発表し、社員が一丸となって高い賃上げ率の実現を目指してください。このメルマガを読んでいただいている経営者は、全ての社員の賃上げをしたいと考えているでしょう。それを実行に移すための仕組みが必要になりました。今すぐに取り組んでください。
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第225話 一番間違いのない投資先はどこ
2024-09-18 [記事URL]
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コンサルティングをしているときに、経営者から普段とは違う質問をされることがあります。特に最近多いのが次のような質問です。
「社員から何に投資するのがいいのかという質問をされましたが、先生は何か投資していることがありますか。もしよかったら教えてください」
これは社員がかつてないほど将来に対して不安を感じているために、投資先を経営者に質問してきているようです。人生100年時代において、自分がこの会社を定年退職した後は年金だけで生活できるだろうかという心配を、若い社員のほとんどが持っています。そのため、この質問も主に若い社員から受けているのでしょう。
最近は新NISAに対する関心が高まっており、各投資先の予想も盛んに行われています。特に金への関心は高く、その上昇率は大きな話題になっています。
もし、経営者であるあなたが社員から同じような質問をされたらどのようにお答えになりますか。ご自分が現在何かに投資をしているのであれば、その体験を説明することもあるかもしれません。
しかし、私は知っています。社員として最もふさわしい投資先は「自分自身」です。
私が大学を卒業後に入社した前勤務先の初任給は、大手企業に入社した同期の友人と比べて2割ほど低かった現実があります。しかしそれから16年後には、この友人とほぼ同じ年収になっていました。これは前勤務先で社員が成長し業績が向上する人事制度をつくり、運用したことによって自己育成がしやすくなったからです。その結果として私は成長し、会社の業績が上がったことで大手企業と遜色ない賃金を得られることができたのです。
今の感覚であれば、大卒新入社員の1年目の年収は300万円ほどでしょうか。入社した会社の業績が順調に伸び、標準的に成長していくことができれば、やがて年収1000万円になることは決して不可能ではありません。それぞれの会社で、日々挑戦して成長していくことが自分自身への投資になります。
もともと、会社はお客様(企業)の困っていることを解決することで成り立っています。会社を通じて世の中のお役に立てるよう努力することにより、ますます世の中に貢献できる社員として成長することになります。その結果、大いに「稼げる社員」として自分自身の価値が高まり、年収が増えていくことになるのです。これほど確実な投資先は他にはないでしょう。
もちろん、世の中に貢献する、稼げる社員になるための継続した努力は必要でしょう。しかし、自分の現在の仕事よりも将来のことばかり心配して何かに投資をすることは、基本的にリスクが伴います。常に先行きが不透明なため、一般的な投資に対して不安を抱え続けることになります。
自分自身に投資し、なおかつその投資した結果が可視化されるような仕組みが会社にあれば、社員は安心して仕事に集中できます。自分自身が成長しているかどうか、そしてその成長によってどのように賃金が増えていくのかを会社として仕組みにすることで、これほど安心安全な投資先はないことが分かるでしょう。
仕組みにする方法はすでに分かっているはずです。ぜひ、社員から投資について質問があったときには「一番の投資先はあなた自身である」と説明できる会社になってもらいたいと思います。
この説明をするために最も有効なのは、社員に自分の「モデル賃金」を設計してもらうことです。これにより社員は、明確な金額で自分の年収がどのように変化していくのか分かるようになります。このモデル賃金を設計できる仕組みをつくってください。ENTOENTOはモデル賃金を自分でつくれる仕組みを持っています。成長塾にお越しください。
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第224話 防衛的賃上げに明日はない
2024-09-11 [記事URL]
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最近、コンサルティングするときについつい声が大きくなるときがあります。それは、業績が厳しいのに「賃上げをしたい」と経営者から相談を受けたときです。
「賃上げしなければ社員は定着しない、採用できない」そのとおりでしょう。だからといって業績が良くないのに賃上げという安易な方法をとると、「企業存続を諦めました」と決めたようなものです。
もし、今の日本全体の高い賃上げ傾向が今年(2024年)で終わるのであれば、この「防衛的賃上げ」も有効かもしれません。しかし、この傾向が10年続くとしたらどうでしょうか。
中小企業でも内部留保がある会社は当然存在していますが、前年の業績が芳しくないのにその内部留保を取り崩しながら賃上げすることには限界があります。気が付いていない経営者は多いですが、これは大きな問題を孕んでいます。
私たちは社員を成長させる義務がありますが、それは世の中の役に立つ社員に成長させるということです。世の中の役に立つ社員は「稼げる社員」という言い方をしてもいいでしょう。この表現をなかなか受け入れ難いという方もいるかもしれませんが、「稼げる社員」とはお客様に喜ばれながら売り上げをいただいている社員のことです。つまり、お客様の困っていることを解決することで売り上げが発生するのです。このように、稼げる社員に成長させることが経営者の仕事です。
もし社員を「稼げる社員」に成長させることができなければ、会社の業績は良くなりません。基本的に昇給・賞与を増やすことはできないでしょう。そしてもちろん、経営者が恐れていることが起きます。優秀な社員から辞めていくことになり、採用もできなくなるでしょう。
業績が厳しいのに賃上げすることは、この社員の定着、採用の問題を先送りにしただけでは済まされません。だから今こそ、社員を「稼げる社員」に成長させることを、経営者は腹を括って取り組まなければならない時代になったといえるでしょう。
私が勤めた前勤務先は、入社時に同窓生と2割も賃金が低かったことを覚えています。それでも社員がやる気を出し成長した結果、上場企業になることができました。それは社員を成長させるための仕組みをつくったからです。
業績を上げるためであればどのような仕組み(営業・製造・開発)でもいいでしょう。しかし、社員を「稼げる社員」に成長させ、そして業績が向上することで賃上げができる仕組みであることが前提です。このことを経営者はしっかりと肝に銘じなければならない時代になりました。これができない会社は、残念ながらこれからの10年間存続が厳しい時代になります。
最低賃金が毎年5%以上上がるのであれば、かつてない厳しい状況になることは必然です。今すぐこの取り組みをして、社員を「稼げる社員」に成長させてください。その仕組みをつくりたいという方は成長塾にお越しください。
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第223話 新しい時代の終身雇用
2024-09-04 [記事URL]
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日本の雇用システムの一つに「終身雇用」があります。社員を採用したら定年退職まで継続して雇用することです。現在は、基本的に定年退職の65歳までは継続して雇用する義務があります。そういう意味では今でも日本は終身雇用です。
しかし、現状は65歳以上になっても仕事をしている人が増えています。これからの日本においては、この65歳以上の就業人数が増えていくことは確実視されています。そのため、中小企業は終身雇用を「100年時代の終身雇用」にすることが必要です。定年年齢65歳までではなく、社員が働きたいと思う間は働ける企業にすることがとても重要になってきました。
そのためには、大前提として65歳以上の社員の賃金の決め方を明確にしておく必要があります。成長シートをつくり、どのような期待成果があって、何をしてその期待成果を上げてもらうのかを明確にすることで、組織の中における貢献度が明確に分かります。貢献度に基づいて賃金を決めることができるようになります。
65歳以降に年金が出るとしても、果たして年金だけで生活ができるかどうかは甚だ疑問です。人によっては十分だという高齢者の方もいるし、足りないという高齢者の方もいます。中には最低でも2000万円以上の金融資産を保有していなければ生活は無理だという意見もあります。
ただ、日本人には「働くは傍(はた)を楽にすること」という考え方があり、働くことを苦役だとは考えていない特徴があります。そのため、65歳以降もできる限り働きたいと思っている社員は相当数います。場合によっては8割以上の社員がそのように思っている可能性があります。
そうであれば、前もって社員に「65歳を過ぎた後も、70歳、80歳、90歳になっても我が社では働くことができる。そして賃金に関しては、きちんと成長シートの貢献度によって成長給表で決める」と明確にすることで、社員にとってこれほど安心して仕事ができる会社はありません。大いに満足できることになるでしょう。
貴重な人材確保ができます。今のところ、大手企業の中で本格的に取り組んでいる企業はごくごく少数派です。
もちろん、今の65歳以上の社員たちは「企業戦士」と言われたほど猛烈に仕事をしてきた人たちです。そのため、65歳以降は猛烈に仕事をしてきたスタイルで働くことができないとなると「やはりこの会社で仕事をすることはできないな…」と思っている可能性があります。そこで、もし引き続き同じ会社で働けるのであれば大先輩社員として尊敬されながら勤務することができると事前に説明することができたらどうでしょうか。社員は65歳以上になっても、これまでとは違う働き方があると理解します。
また、65歳以上になると今まで通りに仕事ができなくなる可能性もあるでしょう。残業はできなくなるかもしれません。1日8時間フルタイムで働くことが難しくなり、やがて週休2日から3日、4日と休みを増やしてほしいといった希望も出てくる可能性があります。
本来、このような希望を出すことは「企業戦士」からすれば多分「NO」でしょう。しかし、だんだん体力が衰え、さまざまな環境の変化に合わせて働き方を選べることが分かれば、社員は65歳以降も安心して仕事ができるようになります。
労働力不足になった日本において、これを新しい終身雇用制度として中小企業が活用するときが来たと言えるでしょう。この人材不足時代において大いに有効性を発揮する強力な仕組みになるでしょう。この仕組みをつくりたい方はぜひ成長塾にお越しください。
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第222話 利己主義な賃金制度が社員の成長を妨げていた
2024-08-28 [記事URL]
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人事制度の一つ、賃金制度をつくると不思議ですが社員の成長がストップします。この理由を知らない経営者は多いでしょう。それは、この賃金制度をつくった経営者が次のような発言をすることに原因があります。
「これからはこの会社で頑張った社員はきちんと評価し、その評価を昇給・賞与に反映させてたくさん出します!」
もちろん、この発言を間違っていると考える経営者はいないでしょう。
しかし、頑張った社員にはたくさん出すということは、たくさんもらえている人とそうでない人がいると社員は理解します。たくさんもらえた社員は「頑張っている」と経営者から評価された社員であること。そしてその社員よりも金額が少ない社員は、経営者から相対的に「頑張っていない」と評価されたこと。その現実を社員はまざまざと見せつけられます。
社員の誰もが「一生懸命がんばっている」という意識はあるでしょう。しかし、それにもかかわらず誰かと比べて賃金が低くなるのであれば、この会社で頑張っても評価されないという残念な思いに至るのは当然といえるでしょう。
そのため、おおむね賃金制度をつくって発表した会社では、社員は自分さえ良ければいい、自分の昇給・賞与がたくさんもらえばいいという利己主義の社員になっていきます。利己主義の社員ばかりの会社はどうなるでしょうか。
まず、チームビルディングは夢物語になるでしょう。賃金をたくさんもらいたい。それはすべての社員の思いでしょう。そのためには、周りの社員よりも高く評価された方がいい。つまり、たくさん成果を出すこと、やるべきことをしっかりやりきること、知識技術を他の社員よりも持つこと。勤務態度が他の社員よりも良いこと。とにかく他の社員よりも高く評価されることで、賃金をたくさんもらおうとするのです。
それでも、他の社員と比べて昇給・賞与が少なければ、自分の頑張りは評価されなかったとして、今後のやる気を大きく削ぐことになります。やがて社員はこの会社では自分の評価が高くならないことに落胆し「頑張っても仕方ない」という結論になるのです。
利己主義の考え方によって、組織の中でやる気を落とす社員が徐々に増えていくことになります。そうならないためには、社員には「利他主義」の考え方が持てるような賃金制度をつくる必要があるでしょう。
会社の業績が良ければ、社員の成長に伴って全社員の昇給・賞与が増える。このことを賃金制度によってすべての社員が理解できるようにつくることが必要です。
このような賃金制度をつくることで、社員の考え方を今までの利己主義から利他主義に大きく変化させることができます。今ある賃金制度が社員を利己主義にしていないかどうかチェックが必要です。利他主義の賃金制度をつくりたい方は、成長塾にご参加ください。
日本で唯一、利他主義の賃金制度がつくれます。
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第221話 これからの日本では「理念」と「賃金」の両方が必要になる
2024-08-21 [記事URL]
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弊社が行っている成長塾には、さまざまな経営者団体に所属している経営者の方が参加されます。経営者団体は基本的に、経営理念、ビジョンを大事にする考えを基に、社員の心の成長を目指しています。
そうした経営者団体に所属している経営者は、やがてあることに気が付きます。それは、いくら正しいと思えるような考え方を社員に教育したとしても、実際に社員が成長して成果を上げなければ業績は良くならず、社員の賃金を上げることはできないことです。
経営理念を守るための教育と、社員を成長させて稼げる社員にする教育は同時にしていかなければバランスがとれないことに気が付いた経営者は「心の教育だけでなく社員を成長させて、結果として賃金を上げられる仕組みをしっかりつくろう」という結論になるようです。
「衣食足りて礼節を知る」という言葉があります。どんなに高い理想を掲げたとしても、実際はこの社会において経済的な豊かさを享受できない賃金のままでは、理想を追い続けることは難しいのが現代でしょう。理念経営のためには、社員を稼げる社員に成長させることが必然と言わざるを得ません。
これから10年間は、最低賃金が毎年4%以上上がっていくことになります。特に今年は5%も上昇しました。今後も最低賃金が上がり続ける日本では、どの会社でもその最低賃金以上の賃金を出す必要があります。パートさんを雇用している会社は既に頭を抱えているでしょう。
さらに、この最低賃金の上昇に合わせて新卒社員の初任給も増えていくことになります。もちろん、新卒社員の初任給が上がるのであれば、在職社員の賃金も全く変更なしというわけにはいかないでしょう。同じように賃金を上げていかなければならなくなります。
今までであれば、賃金が上がらなかったとしても理想を追い求めて経営することで、大きな問題にはならなかったかもしれません。しかし、これからはそういうわけにはいかないのです。
新一万円札の肖像にもなった渋沢栄一は「論語と算盤(道徳と商売は両立しなければならない)」と考えていました。この考え方は、これからの日本においてとても重要になります。社員の賃金を上げるためには、まずは社員を稼げる社員に成長させて業績を向上させなければなりません。このときこそ同時に経営理念を守るための教育が必要になります。
稼ぐためには何をしても良い訳ではありません。本来の経営とは、私たちのお客様が抱えている本当の問題、困りごとを解決する企業として成長していくことです。これはつまり、社員がこのお客様の潜在ニーズを満たすことができるよう、成長させることになります。
そして社員が成長したとき、どれほど自分の昇給・賞与が増えるか、社員が前もって分かる仕組みが必要です。その仕組みこそが人事制度、賃金制度であり、経営者の想いでもある「社員にたくさん賃金をあげたい」という考え方を盛り込むことで、社員は安心してこの会社で人生を懸けることができるようになります。
もうこれからは、社長が「頑張ったらたくさん出す」という言葉でお茶を濁すことはできないでしょう。しっかりと仕組みをつくって社員を成長させなければならない時代になったことに気が付いてください。その仕組みが成長塾(6か月)でつくれます。業界初の満足保証(返金保証)がついています。ノーリスクでチャレンジできます。
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