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冬期休業のお知らせ(2022年度)

2022-11-24 [記事URL]

弊社では誠に勝手ではございますが、本年度の冬期休業日につきまして、以下の通りとさせていただきます。

◆ 休業期間 2022年 12月27日(火)~2023年 1月4日(水)

【セミナー・研修へお申込みいただいた際】のご請求書の郵送につきましては、以下の通りとなります。

12月19日(月)16時30分までにいただいたお申込みにつきましては、26日(月)までにご請求書を発送いたします。

【ご注文いただいた商品の発送】につきましては、以下の通りとなります。

●お支払方法【代金引換便/払込書】でのお申込
12月19日(月)16時30分までにいただいたご注文につきましては、26日(月)までに発送いたします。
※在庫切れの場合にはその限りではございません。ご了承ください。

●お支払方法【銀行振込】でのお申込
12月19日(月)16時30分までにご入金いただいたご注文につきましては、26日(月)までに発送いたします。

12月19日(月)16時30分以降の商品のご注文・ご入金につきましては、1月5日(木)以降に発送させていただく可能性がございます。

なお、冬期休業中もFAXやEメールによるお問合せは受付けておりますが、12月20日(火)8時以降のお問い合わせ等につきましては、来年1月5日(木)以降に順次対応させていただきます。

大変ご迷惑をおかけいたしますが、ご理解とご協力のほど、よろしくお願いいたします。

ご不明な点等がございましたら、お気軽にお問い合わせください。


第136話 女性社員に活躍してもらうために絶対に必要なこと

2022-11-22 [記事URL]

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現在の日本企業は、管理職を占める女性社員の割合が低いことが問題になっています。主要先進7か国(G7)の中で日本は最下位という結果です。

女性社員を男性社員と同じように成長シートで公平公正に評価し、処遇を決めることは重要なことと言えるでしょう。なぜなら、日本ではこれからさらに労働力不足になりますが、もともと女性の企業での活躍は限られており、十分に力を発揮している状況ではありません。

有能な女性社員の活躍の可能性を閉ざすことは、企業にとっても実にもったいないことです。これからの日本において、女性社員の活躍は企業の発展を左右します。

この女性社員の活躍を促進するためには、企業において二つの仕組みが必要です。

一つは成長シートで男女の区別なく評価する仕組みをつくることです。
処遇は成長シートで算出された成長点数で決めることになります。昇給・賞与・昇進・昇格はすべて成長点数で決めることになり、男女によって違いはありません。

もう一つは雇用条件の違いで賃金を決める仕組みをつくることです。
女性社員の中には結婚し、出産・育児を経て復職する社員もいるでしょう。その復職時に賃金はどう決まるかを明確にしている会社はあまりありません。

まず大事なことは、復職後も成長シートを活用し、成長点数で昇給・賞与、賃金を決めることです。しかし、復職しても家庭の状況によって育児などさまざまな仕事上の制約が発生し、休職前と同じ条件で仕事ができない可能性があります。

例えば、「職種限定にしたい」「勤務地限定にしたい」「短時間で仕事をしたい」「残業ができない」「早朝深夜の業務はできない」など、さまざまな雇用条件を抱えている場合、まったく制約の無い社員と同等の賃金を支給することはできないでしょう。

そのため、この雇用条件の違いを「雇用条件係数(R)」として、現在の賃金に掛け算することが必要になってきます。例えば、フルタイム8時間勤務から7時間勤務に変更したいのであれば、支給する金額は8分の7という計算になります。残業できないという場合は、例えば賃金に「0.9」の雇用条件係数をかけることになるかもしれません。

それぞれの会社の状況によってこの係数は違いますが、雇用条件の種類は企業規模、業種によってそれほど違いはありません。そのため、社内でこの雇用条件と雇用条件係数を全て明らかにして、女性社員の働き方によって雇用条件係数を賃金にかけることを前もって説明しておくことが必要です。

「通常の雇用条件とは違う働き方をする社員は、それぞれの家庭環境によって違いがあり、そしてその違いを会社として受け入れるために雇用条件係数をかけている」と分かれば、働き方が違う社員に対して全社員が「大変ですね!」と理解を示すことができるようになります。

この二つの仕組みをつくることが、女性社員の会社での活躍を大いに促進することになります。

女性社員が出産や育児により一時休職する時に、自分がやがて会社に戻った時にさまざまな雇用条件を受け入れ、そして賃金がどう変わっていくのか説明できる仕組みはあるでしょうか?


第135話 経営者が後継者の選定で今から準備すべきこと

2022-11-15 [記事URL]

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現在、日本の中小企業では後継者問題が大きく取り上げられています。

経営者の年齢的なこともありますが、そろそろ自分も次の世代にバトンタッチして行こうと考えたときに後継者問題にぶち当たります。

例えば5年後に事業承継をしようとした時に「さあこれから誰に事業をバトンタッチするか」と考えることになります。この時までに誰を後継者にしたら良いか、明確に基準をつくっておく必要があるでしょう。

後継者にはなりたくないという社員はいるでしょう。しかし中には後継者として重責を担いたいと考える社員は必ずいます。この後継者になりたい社員の中から選抜することになりますが、後継者をどうやって決めるか曖昧なままでは、その後の経営に問題を発生させることになります。

「どうしてこの人が後継者になったのか?」
この社員の不安、または不平不満です。

このとき管理階層の成長シートがあれば、一言で済んでしまいます。
「現在いる管理階層の社員の中から、この管理階層の成長シートで一番成長点数の高い社員を後継者に任命します」
つまり、一番優秀な人にバトンタッチすることになりますので、社員から不平不満の出ようがありません。

管理階層の成長シートは基本的に経営者をモデルにして作成します。自分が優秀だと評価する社員にバトンタッチすることができれば、経営者自身も安心して事業承継できることになります。

ただし、数年で後継者を決めることはあまりにも難易度が高すぎると言えるでしょう。また、社員も突然後継者指名をされると戸惑いを隠せません。後継者を選ぶのは何十年もかける必要あるでしょう。社員には「後継者になるためには何十年もかけて計画・指導していくこと」を事前に知ってもらうことになります。

社員が入社する際、一般階層・中堅階層・管理階層を一つひとつステップアップしていき、管理階層の社員の中で優秀な社員が次の後継者になることを説明することが必要です。

大手企業と違って中小企業の場合、これから徐々に事業規模を拡大するために役職定年制度をつくる必要はありません。そして全ての社員が成長することで規模拡大につながりますので、誰かを振り落とさない限り上に昇進できないこともありません。

後継者はこの仕組み(ステップアップ制度)を活用して30年~40年かけて決めることになるでしょう。これによって経営者も冷静にその後継者の選定をすることができます。社員もいつかは経営者になる可能性があることを考えながら仕事をし、成長していくことになります。

後継者問題は経営者が次を指名するというだけの問題ではなく、指名される社員の心の準備を考える必要があります。それは事業承継のみならず、事業承継した後の会社の成長・発展を揺るぎないものにする計画となるでしょう。

後継者を任命するための仕組みはつくってあるでしょうか?


株式会社カネコ様(特殊ネジ、リベットの製造等 千葉県)

2022-11-10 [記事URL]

「」氏

従業員の誰もが納得する昇給・賞与を決定する仕組みをつくるため、成長塾で人事制度づくりを学ばれた株式会社カネコ 代表取締役社長 金子雅一 氏に、その経緯と効果について詳しく伺いました。

●会社プロフィール
会社名 :株式会社カネコ
代表者 :代表取締役社長 金子 雅一
従業員数:34名(正従業員25名、パート9名)
所在地 :千葉県浦安市千鳥15-37
事業内容:特殊ネジ、リベットの製造、冷間圧造部品の二次加工、
カム式旋盤のアフターサービス
URL
コーポレートサイト: http://www.e-neji.co.jp/
特殊ネジ・リベット製造.com: https://www.fastener-parts.com/

 

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1.特殊ネジ・特殊リベットの製造・販売を手掛ける

――株式会社カネコの会社概要をお聞かせください。

カネコ様_製造中の写真
卓越した技術と設備でニーズに応えています

当社は創業以来60年以上に渡って、冷間圧造(金属の塑性を活かし、圧力を加えて変形させる成形技術)部品の切削二次加工などに携わってきました。そのほとんどは特殊ネジ・特殊リベットの製造・販売で、ネジやリベットのメーカーに対して「穴を開ける」「溝をつける」といった切削二次加工のサービスを提供しています。用途としては自動車関係が多く、そのほか建築、弱電、医療など、さまざま領域のネジやリベットの切削二次加工を行っています。

創業は私の祖父で、二代目は父、私は2015年に三代目として代表取締役社長に就任しました。私自身は大学を卒業後、大手の機械要素部品メーカーに入社して、営業職に携わりながら家業につながる製造業界の知識や技術を習得。さらに、その会社では「モノを売ることがゴールではなく、お客様の困りごとを解決すること」を徹底的に叩き込まれました。この経験を経てネジ業界に入ったわけですが、ちょっとしたカルチャーショックを覚えました。

カネコ様_製造部品の写真
冷間圧造(ヘッダー)+二次加工で完成品としても納品が可能

そもそもネジ自体、世の中に登場してから姿形が変わっていないこともあって、生産や取引形態にイノベーションが起きにくいという特色があります。それを踏まえつつ、あくまでも私見ですが、自ら積極的にアクションを起こす業界ではないと感じました。当社には、下請けだけでは存続できない危機感がありますから、それなら自らお客様に向けて積極的にアピールしてもいいのではと考え、数年前に「特殊ネジ・リベット製造.com」を立ち上げました。

「特殊ネジ・リベット製造.com」は、完成品をワンストップで製造・販売するメーカーのスタンスを取り入れた特殊ネジ・リベットのオーダーメイドサイトです。これまで、数十年間20~30社の取引会社で続けてきましたが、「特殊ネジ・リベット製造.com」を立ち上げてからは、取引社数は約200社へと大幅に増えました。売り上げに関しても、切削二次加工のサービスが約7割、「特殊ネジ・リベット製造.com」が約3割のところまできました。

ビジネスモデルは変化しても、お客様の要求に応えるため、高品質・低コスト・短納期での安定した供給を目指し、日々挑戦し続けていくことに変わりはありません。引き続き、ご愛顧いただけますと幸いです。

2.賞与・査定において従業員が納得する仕組みづくりが必要

――成長塾を受講した背景をお聞かせください。

2つの課題がありました。ひとつは賞与の決め方です。前職の経験やビジネス書籍の知識および知り合いの話などを参考に自分なりのやり方で賞与を算出。自分ではその数字に自信がありました。ところが直訴はありませんでしたが、不満を持つ従業員が少なからずいたようです。不満げな空気感や、回り巡って不満の声が耳に入ってくるような状況でした。

私も説明したいところですが、すべては私の頭の中で算出していますから、なかなか納得してもらえる説明の仕方が思いつきませんでした。やはり、頭の中を可視化して仕組みにする必要があると常々感じていました。

カネコ様_機会を操作して製造している様子
実際に製品をつくる加工現場

もうひとつは、従業員の能力・技量を確認する方法です。そもそも当社が採用する従業員は中途採用がほとんど。しかも、工業高校や理系大学出身者、あるいは製造業の経験がある人を優先して採用していますから、即戦力とは言わないまでも、ある程度の成果を期待しています。ところが本人の頑張りと私の期待にギャップがあり、納得する評価を与えることができませんでした。私の厳しい評価に辞めてしまう従業員もいました。今となっては同じ製造業で括るのは早計だと分かりますが、当時は私も未熟だったため、成果を求め過ぎていました。辞めていった従業員には申し訳なく思っています。

評価と処遇(昇給・賞与)に関してお互いに納得する仕組みがない限り、この2つの課題は解決できないと考え、人事制度の構築を決意しました。

3.従業員を成長させる人事制度に感銘

――成長塾と出会ったきっかけをお聞かせください。

成長塾を受講する前、他社の専門家と一緒に当社に合った制度づくりに取り組んだことがあります。等級制度を設計し、具体的に説明できることを期待して、定期的に打ち合わせを続けていましたが、その専門家の知識だけでは終わりが見えてきませんでした。

書籍『社員が成長し業績が向上する人事制度』何か良い人事制度がないかと模索していたとき、知り合いの経営者から紹介されたのが松本先生の成長塾でした。こちらも本気でしたから、まずは松本先生が提唱する人事制度のことを知りたいと思い、『社員が成長し業績が向上する人事制度』(日本経営合理化協会出版局)を購入。この本に感銘を受けて、次は松本先生のセミナーを受講させていただきました。

そのセミナーでは、松本先生がおっしゃっていた「賃金も大事だけど、それよりも従業員は成長するところに喜びがある」という言葉に感銘を受けました。しかも、松本先生はそれを人事制度として仕組み化しています。このタイミングで巡り合えたのは運命だと思い、セミナーのあとはすぐに成長塾を受講しました。

――成長塾受講後の進捗状況を教えてください。

最初に受講したのは2019年5月(183期)です。しかし、営業畑の人間が初めて人事を学ぶわけですから簡単ではありません。そこで、2019年8月(185期)に第1・2講座のみをオンラインで受講しました。その後、もう一度対面で2021年9月(202期)に3回目を受講しました。

――受講後、すぐに運用されたのでしょうか。

2019年10月から仮運用を始めました。しかし、現在も人事制度と昇給はリンクしておらず、賞与のみがリンクしている状況です。そういう意味では、「今も仮運用期間」と言えるかもしれません。

「今も仮運用期間」と言ったのは、人事制度をすべて回せてないところにあります。従業員と上司のフィードバックも3カ月周期では実施できていません。半年周期で実施できれば良しとしている状況です。成長支援会議を含め、まずは、計画通りに人事制度のタイムテーブルを回して本運用に移行させるのが目標です。

そもそも人事制度を回せていないのは、工場全体がフル稼働中というのが大きな理由です。工場特有の納期への対応がありますから、そういった案件をいくつも抱えてしまうと設備を止めることができません。

業務優先は仕方ないにしても、こうした状況で人事制度を回せていないのは私自身のマネジメント不足もあると思っています。幸い、従業員は今回の人事制度導入を好意的に捉えていますので、なるべく早く本運用に移行できるようにマネジメントしていきたいと考えてます。

――成長シートはどのように作成されているのでしょうか。

当社の場合、製造部門、品質管理部門、生産管理部門の3つに分けて成長シートをつくっています。中身は「期待成果」のところは少し似てますが、「重要業務」と「知識・技術」は部門で異なるため、しっかり分けています。ちなみに成長シートに関わっているのは、私と5名の幹部スタッフの計6人。成長塾で学んだ知識を幹部に伝授している最中です。

4.人事制度が定着率に貢献

――人事制度導入後の定量的効果をお聞かせください。

仮運用期間ではありますが、人事制度導入後の2019年4月~2020年3月、2020年4月~2021年3月、2021年4月~2022年3月の3年間を比較した定量的効果を以下に示しました。


※クリックで拡大します

直近の2021年4月~2022年3月は、売り上げが大きく伸びているのが分かると思います。これは、コロナ禍が当社にとって追い風となりました。リモートワークにともなう運動不足を解消するため、世界的に自転車の需要が高まり、そのなかで当社は自転車の変速機に必要な部品製作に関わらせていただいております。

現在も多くの受注をいただいており、設備はフル稼働の状況。加えて「特殊ネジ・リベット製造.com」も順調で、月平均30~40件の問い合わせから5社前後ずつ顧客が増えています。こういった状況ですから、なかなか人事制度の運用まで手が回らず、現在も仮運用期間のままとなっています。

それでも、人事制度の成果が上がっていると言えるのは定着率です。人事制度導入後は定着率100%を実現。誰も辞めていません。明らかに会社の雰囲気が変わり、居心地が良くなっていると思います。このまま、企業文化として根付いていくことを期待しています。

5.教える文化が根付き始めている

――雰囲気が変わったことについて、もう少し詳しく具体的にお聞かせください。

以前はニンジンをぶら下げて「頑張れ」とお尻を叩くだけでしたが、人事制度導入後は「賞与原資は粗利の10%」ということを従業員全員に伝えました。当然、粗利が増えれば増えるほど個々の賞与は増えますから、賞与原資を大きくすることが従業員全員の明確な目的意識になりました。

会議で売り上げや粗利の数字を公開しているため、業績への関心も大きく高まっていると感じます。実際、私が言わなくても夜間に設備を無人で動かす設定を行うシーンが多くなりました。夜間に回せば稼働率が向上し、短納期への対応が可能。原価が下がり、利益にもつながります。

このほか、以下の点でも変わったと感じています。

<教える文化>

カネコ様_教え合う様子
現場は従業員同士のコミュニケーションも活発

教えるという文化が根付いてきました。以前までは、「背中を見て覚える」という代々受け継がれてきた日本の職人気質のスタンダードな姿が当社でも見受けられましたが、「やってみせる」「やっているところを見る」「アドバイスをする」というのが当たり前になっています。なぜなら「人に教えることが自分の評価、成長点数につながる」からです。しかも、教えることで部下が成長し、粗利益が増えるという成果が出れば、賞与に反映されます。

今では自発的に勉強会を実施するようになりました。より良いやり方を共有し、従業員みんなが成長する環境になってきたと心から実感しています。

<勤務態度の変化>

カネコ様_食事会の様子
和気あいあいとした食事会も開催しています

当社は体育会系の会社ではありませんが、技術がものをいう工場では、どうしても高圧的な態度をとってしまう従業員を見かけることがあります。しかし、成長シートでは「勤務態度」で、そうしたコミュニケーションの仕方はマイナスの評価となってしまいます。しかも、教えるという文化が根付いてきたことでギスギス感がなくなり、工場全体に和気あいあいとした雰囲気が漂うようになりました。

――金子社長ご自身の定性的効果があれば教えてください。

以前は何をどう指導すべきかが分からず「とにかく頑張れ」でした。今は自分が思う「重要業務」「知識・技術」を落とし込んだ成長シートというツールがあるため、かなり気持ちが楽になりました。思考の整理に役立ちましたし、すべてが可視化されていますから何を教えたらいいのか明確になりました。

6.従業員と企業の成長を考える経営者にはぜひ成長塾を受講してほしい

――人事制度に悩んでいる中小企業に向けて、アドバイスがあればお願いします。

企業の規模に関係なく、従業員の成長なくして企業の成長はないと考えています。大企業・中堅企業であれば人事部門主導で体系化された人事制度のもと、従業員の成長を期待できるでしょう。しかし、日本の全企業数のなかで99.7%(総務省と経済産業省による平成28年経済センサス-活動調査より)を占める中小企業の大半は、人事部門が設置されていません。つまり、社長の頭の中の人事制度だけでは、従業員の成長を期待するのは難しいと言えます。

そんな中小企業の皆様には、成長塾の人事制度をお勧めします。経営者の頭の中を可視化するだけですから、敷居は高くありません。中小企業にこそ導入してほしい人事制度だと思います。

――最後に一言お願いします。

コロナ禍で恵まれた部分はありましたが、松本先生と成長塾の人事制度に出会えていなければ、たくさん受注しても数をこなすことは難しかったと思っています。良いタイミングで出会うことができ、本当に感謝しています。「従業員が成長する仕組みづくり」に奔走されている松本先生の想いに応えるため、当社もその想いを形にできるように努力してまいります。今後ともご指導・ご鞭撻のほどお願い申し上げます。

カネコ 金子社長

株式会社カネコ様、お忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。

※株式会社カネコ様のホームページ
※取材2022年9月


第134話 新卒採用で大手企業に負けない時代の到来

2022-11-08 [記事URL]

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「大手企業であれば一生安泰」という時代ではなくなりました。大手企業が次々と早期退職のニュースを発表しています。また、「働かないおじさん」のニュースも続いています。

さまざまな大手企業の問題が明らかになるにつれて、中小企業は今までとは全く違い、大手企業よりも有利に採用ができるようになりました。これほど新卒採用で大手企業と互角に戦える時代が来ると誰が想像したでしょうか。

ただし、中小企業というだけで採用が有利になるわけではありません。中小企業であっても次の五つの条件を準備できなければなりません。

一つ目は「評価と賃金が一致していること」です。
大手企業の中には、評価と賃金が一致してない企業があることが最近明らかになってきました。その現象の一つが「働かないおじさん・おばさん」が存在していることです。評価と賃金が一致する人事制度があれば「当社には評価と賃金が一致する制度があります。そのため、一部の大手企業と違って働かないおじさんやおばさんはいません」と発言できることは、応募する学生にとって安心できる会社と言えます。

二つ目は「終身雇用であること」です。
今の新卒の学生は、年金の問題を詳しく知っており、自分の将来に不安を持っています。もし、60歳を過ぎても70歳を過ぎても継続して働ける人事制度があれば、その分だけ将来の年金を心配しなくてすみ、終身雇用を明言できます。

三つ目は「早期退職制度がないこと」です。
最近大手企業の2,000人、3,000人の早期退職に関するニュースがマスコミを賑わせています。つまり、大手企業にはさまざまな理由によって社員早期退職をしている実態があります。そのため、新卒採用の社員に対して「当社は早期退職制度がありません」と宣言できることは、安心して人生設計ができる会社といえるでしょう。

四つ目は「全社員が一緒に出世できること」です。
中小企業は大手企業に向かう途中であると言えます。つまり、社員が成長することで企業は規模を拡大していくことになります。つまり、現在いる社員は全員出世できると考えても良いのです。そのため、大手企業と違って出世する社員が限られていることはありません。入社した社員に「当社は全社員が出世できる会社です」と明言できることはとても重要です。その仕組み(昇格基準)も説明できなければなりません。

そして五つ目に「自分のモデル賃金を自分で自由に設計できること」です。
入社してから40年間どのように賃金が増えるかを明確にすることができます。毎年の具体的な昇給の金額が分かることはとても重要です。

応募してくる学生に、必ずこの五つの安心できる会社の条件を説明してください。そして会社を選ぶ時、この五つの条件は応募する学生にとっても重要であることも併せて説明してください。これから応募する会社、今まで応募した会社にこの五つの条件がなければ、安心して就職できる会社ではないと判断することができます。そうした意味で、中小企業で五つの条件を整備している企業は、一部の大手企業と違って安心して成長できる会社であることが大学生には分かるでしょう。

とても面白い時代になりました。最近希望通りの人数を採用できていますか?


第133話 生産性向上のために自社の中で宝探し

2022-11-01 [記事URL]

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「賃金を上げるためには生産性を向上させなければならない」と、経営者、学者、専門家の意見が一致しています。

それでは生産性を上げるためにどうしたらよいか? その解決策について、全ての企業に活用できる具体的な方法がいまだに出てきていません。それほどまでに生産性の向上は難しいことなのでしょう。

しかし、生産性の向上はそれほど難しいことではありません。それはあらゆる企業の中に生産性の高いやり方が既にあり、生産性が高い社員や拠点(店舗、営業所など)が存在しているからです。

一度、社員間または拠点間で生産性を算出してみると分かります。私は前職の小売業の会社で「人時生産性」という生産性指標を活用していました。3店舗のとき、会社全体の人時生産性は2,600円でした。ところがこの2,600円は会社全体の平均値です。ここが重要ですのでもう一度言います。【平均値】です。店舗ごとに生産性は違います。同じ業種ですので、生産性の数字は店舗間で比較することができます。

それにとどまらず、同じ店舗であっても、ある日は2,600円、次の日は3,000円、さらに次の日は2,200円と生産性指標は日々変動します。これはやっていることが日々違っていることを意味しています。これを因果関係と言います。「やっていること」が違うから、結果としての「生産性」が違うのです。

1か月間の平均は2,600円だとしても、3,000円の日があるのであれば、その日にやっていたことを店舗全体で共有化することで、少なくとも毎日3,000円の店舗にすることができます。難しいことでしょうか。生産性の向上ができていない理由は、それぞれの会社の中にある生産性の高いやり方が可視化、共有化されていないだけです。

このやり方の共有化を行い、人時生産性が2,600円から当時の小売業界で日本一の5,600円になりました。

生産性を高めると言うと大上段に構えて何か目新しい、難しいことを行わなければ実現できないというイメージがどうもまかり通っているような気がします。難しいことは続きません。難しいことをやり続けるのであれば2,600円の生産性を5,600円にすることは到底無理だったでしょう。社員が楽しく和気あいあいと続けることができたからこの5,600円という生産性を実現することができたのです。

どうぞ自社の生産性指標を明らかにし、日々やっていることの違いを明らかにしてください。

また、拠点が増えれば増えるほど、拠点によって生産性の違い、やっていること(業務)の違いも増えていきます。それを全組織に共有するのが経営者・経営幹部の仕事です。だから「生産性を上げろ」と言う必要はありません。「こういうことをすれば生産性が高くなる」と社員に説明するだけです。そうした共有をすることで、全社員が一緒に生産性の高い社員として成長することができます。

難しいことではありません。一度そのやり方に挑戦してみませんか?

そしてこの生産性向上の秘訣がぎっしり詰まった「生産性向上セミナー」の申し込みを現在受け付け中です。日本一簡単で納得性もある、100年以上使えるノウハウが手に入ります。
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第132話 悩むほど社員から不平不満が出る業務がある

2022-10-25 [記事URL]

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経営者の中で最も生産性の低い業務、そして社員から最も納得してもらえない業務があります。それが「昇給・賞与を決めること」です。

過去1,347社の人事制度構築のコンサルティングをしましたが、ある経営者は賞与を決めるために1か月悩んでいたと聞いたことがあります。残念なことに、この昇給・賞与を決める時間が長ければ長いほど複雑になっています。

その結果、昇給・賞与を決めた理由について社員から質問を受けても説明することはできません。もし説明しようとしても「いろいろ考えて決めた」となるでしょう。

この生産性が低い「昇給・賞与を決める」業務は、最終的に「社員の昇給額、賞与額を決める」ことです。つまりこれは金額を決めることであり、昇給・賞与の決め方は計算式で示すことができるのです。

経営者が昇給・賞与を決める時に考えている要素はたった二つしかありません。

「会社の業績が良いかどうか」

「社員が成長しているかどうか」

一つ目は昇給・賞与の原資を決めること、二つ目は社員の成長を確認すること、
この二つです。

この二つの要素で昇給・賞与を決めているのであれば、今まで考えてきたことを全部書き出し、それを基に計算式で表すことができます。そしてその計算式を昇給・賞与の仕組みにすることで、社員に説明することができます。

この仕組みを事前に社員に見せることで、社員は次のように理解します。

「昇給・賞与を増やすためには業績が良いことが重要だ」

「業績を上げるためには社員がお互いに成果を上げるやり方を教えることがとても大切だ」

「それぞれの社員がしっかりと成長していくことが大事だが、成果の上がっていない社員は成果の上がっている社員からそのやり方を学び、素直に取り組んでいって成果を上げることが必要だ」

たくさん昇給・賞与をもらいたい。これはほとんどの社員の願いでしょう。しかし、そのためには社員が成長して会社の業績が良くなければなりません。このことは何回も経営者が発言してきたことだと思います。しかしその根拠となる昇給・賞与の計算式を示していないために、社員にとっては単なる謳い文句(リップサービス)としてしか理解されていない可能性があります。

この計算式を明確にすることによって、社員は真実を知ることができます。真実が分かった社員は会社の経営目標に反対することはなくなります。経営目標は社員の昇給・賞与を増やすための大切な目標であることが分かるからです。

もう昇給・賞与で悩むことはやめてください。悩んで昇給・賞与を決める苦労は社員の誰も分かりません。

そしてそのことがはっきり分からないままでは、不平不満が解消されずに成長することはありません。 昇給・賞与を計算式にして、ボタン一つで昇給・賞与を決める仕組みをつくり、社員に安心して成長に進めるようにしなければなりません。御社では社員の皆さんは安心して成長していますか?


第131話 賃金制度の本来の役割は不安を取り除くこと

2022-10-18 [記事URL]

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経営者が人事制度をつくる目的の一つは、社員の賃金に関する不平不満の解消です。

例えば、賞与を支給した日に社員から「この賞与はどうやって決めたのですか?」という質問を受けることがあります。これは自分の賞与が少ないという不平不満に基づく質問です。この質問に、経営者はなかなか本人が納得する内容で答えることができません。

このような社員からの質問が次から次へと続くようでは、経営者にとっても逆に納得できない状況が続くことになります。経営者が悩みながらしっかりと考えて賞与を決めていても、社員はその決定プロセスを知らないため、質問がある度に答えなければならないからです。

自分でも納得する答えができない経営者のストレスが、経営に影響を与えることも少なくありません。そこで人事制度をつくり、そして賃金制度をつくるようになります。

この質問に答えるために賃金制度をつくると、つくった後の経営者の発言はほぼ同じものになります。それは「この会社で頑張ったら昇給・賞与が増える」という発言です。この経営者の発言により、社員は頑張ったら賞与が増えることを、その制度で理解しようとします。しかし、実際の賞与の具体的な金額の計算方法は分かりません。そのため、社員の中にはどうしても納得できない部分が残ってしまいます。

賃金制度は経営者の今までの決め方を可視化してつくることが大原則です。そのため、もともと賞与を決めていた方法を全て計算式にして、明確にすることで不平不満は無くなります。

しかし、今までの賞与の決め方を計算式で示すことによって、決め方が納得できなかった過去の不平不満の問題よりも、もっと大きく潜在的な問題を解決することができます。それは、社員の定着率の向上です。

社員は会社に40年以上勤める間、自分の賃金、いわゆる昇給・賞与がどう増えていくのか分からなければ、不安に駆られます。
「本当に自分はこの会社で成長していったら昇給・賞与は増えていくのだろうか?」
「賃金は増えていくのだろうか?」
このことがはっきりしないままでは、自分の人生設計を立てることができません。

つまり、賃金制度は社員の人生設計の元である経済的な部分について、安心してもらうようにつくるものであると知って頂く必要があるでしょう。これが明確になることによって、社員は賃金のことを心配せずに自分の目の前による仕事に集中することができます。そして成長することができるのです。

賃金制度の役割は社員のモチベーションを上げるためではなく、不平不満を解消させるための制度でもありません。社員が40年以上この会社で「安心」して活躍できるようにするための役割を持っていることを理解することが必要でしょう。

もし、社員から賃金制度に関しての質問があったら、それはとてもありがたいものだと思ってください。経営者の皆さんは社員の賃金に関する質問に、自分の言葉で答えることができるでしょうか?


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2022-10-14 [記事URL]

本日10月14日の日本経済新聞二面に、弊社代表 松本順市の書籍『社員が成長し業績が向上する人事制度』(日本経営合理化協会)の広告が掲載されました!

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第130話 生産性は業務内容ではなくまずは数字で語ること

2022-10-11 [記事URL]

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最近、多くの経営者が語っているように日本の賃金は上がっていません。この問題を解決したいと考えている経営者は少なくありません。

しかし、賃金を上げるためには会社の業績を上げる必要があります。今までであれば業績を判断する数字に売り上げ、粗利益、営業利益などが活用されてきましたが、この激動の時代には必ずしも売り上げや粗利益が上がるとは限りません。下がることも十分考えられます。

そのような環境でも「生産性」は上げることは可能です。「生産性」を数字で見ることによって、的確な経営判断をすることができるようになります。ここで最も大事なことは、実際に生産性をどの数字で判断するかです。

そもそも日本全体で生産性を上げようとする話はかなり前から出てきています。日本が豊かであり続けるためには、生産性の継続的な向上が必要です。このように、長年生産性のテーマは取り上げられていますが、残念なことに生産性の向上をどのような指標で判断するかという話は出てきていません。

私は40年前に「人時生産性」という生産性指標を知ることができました。40年前にペガサスクラブの渥美先生に直接教えて頂きました。それによって、一生懸命仕事した結果、生産性が高まっているかどうかを毎日現場で確認することができました。一生懸命取り組んでも生産性が上がらなければ、その業務は行っても仕方ないことが現場で分かります。生産性が低いことは、やる気の問題ではありません。やっていることが生産性の向上に繋がっていないだけです。その判断ができる指標があったために、現場では常に生産性を高めることを意識して業務ができるようになりました。その結果、とても高い生産性を実現することができたのです。

今までであれば「1人当たりの粗利益高」「1人当たりの売上高」という生産性指標もあったかもしれません。しかしこれからの日本においては「1時間当たりの労働生産性」を意識することが必要になっています。残業の問題が残っているからです。

全ての企業は生産性を上げずに存続発展することはできません。その生産性が上がったかどうか判断できる、生産性指標を考えることが必要になりました。

最近は製造業やサービス業でも「人時生産性」を生産性指標にしている会社が増えてきました。「人時生産性」を指標としている経営者からは「残業時間も含めて人時生産性を計算しており、やっていることが生産性向上に貢献しているか、結果がすぐ分かって良い」という意見が多くなってきました。

大事なのは、頑張ること以上に頑張ったことがきちんと成果に結びつくか判断できる指標を持つことです。この指標を持った会社だけが業務改善のスピードが速くなります。

まだこの生産性指標が決まっていない会社は、至急決めることが必要になってきました。生産性指標を確認できる仕組みをつくることだけで、社員が生産性を上げるためにどれほど業務を改善・改革していくか、その変化に驚くでしょう。

この指標がなければ、今日の社員の行動は生産性が高かったのか判断できませんね。


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