びわこホーム株式会社様(建築不動産業 滋賀県)

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びわこホーム株式会社様(建築不動産業 滋賀県)

歩合給を廃止。でも業績は伸びています。本気で会社を変えるなら、成長塾の受講をおすすめします。

biwakohome-2.jpgびわこホームは、2009年9月、歩合給制を廃止し、新しい人事制度を導入しました。テレビのビジネス情報番組や、ビジネス誌などマスコミでも話題となった同社の新人事制度について、代表取締役・上田裕康氏と、常務取締役・高木光江氏に伺いました。

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1.びわこホーム株式会社の概要
2.前向きに仕事に取り組む社員の姿勢が、競争優位性に
3.びわこホームの社員が一所懸命働く理由
4.歩合給制を廃止し、成長支援シートを導入
5.ENTOENTOスタッフと一緒に成長支援シートを作っていった
6.社員が成長を実感できるツールじゃないと導入した意味がない
7.トップ営業マン4人が退職。しかしリーマンショック後も業績を維持
8.個人の成果から会社の成果へと価値基準がシフト。社員がやめなくなった
9.これから人事制度を作っていきたい経営者へのアドバイス
10.ENTOENTO成長塾への今後の期待

1.びわこホーム株式会社の概要

総合建築・不動産業を営むびわこホームは、滋賀県の中でも湖東・湖南の地域に密着した事業展開を特徴としている。同社が商圏とする地域において、土地の売り物件占有率は88%、新築住宅の着工棟数でもシェア10%と、いずれもトップ。特に新築着工棟数では8年連続でトップシェアを維持している。 1990年創業。社員数35名(2011年10月現在)。

2.前向きに仕事に取り組む社員の姿勢が、競争優位性に

― 御社の事業の特徴を教えてください。

びわこホーム本社入り口の看板びわこホームの事業の特長は、地域密着力と徹底したアフターサービスです。
弊社は創業以来、地域密着型サービスで、競争優位性を確立して来ました。そして、最近はOB顧客数が2千数百世帯という数字に達し、広告費をかけなくても口コミで集客できる環境が整ったことから、OB顧客に対するアフターサービスに注力するようになりました。

その効果は、新築着工棟数8年連続トップシェアという成果に現れています。さらに、未曽有の不景気と言われたリーマンショック以降も業績を落とすことなく、2011年8月末の決算では年間売上約16億円に達しました。昨対比14%の増収です。経常利益は1億3千万円。経常利益率は8%強と、建築業界の中では高水準を維持しています。

― そのような圧倒的な競争優位性を生み出す地域密着力と徹底したアフターサービスを実現している要因は何ですか。

それは、弊社の社員全員が、会社の発展と自己の成長を目指して、前向きな姿勢で仕事に取り組んでいるからです。

例えば、他社の営業マンが10件回るところを、弊社の営業マンはその2倍、3倍のお客様を訪問します。店舗ではお客様ご来店時、その場にいるスタッフ全員が作業を止めて出迎え、お帰りの際にはお客様の姿が見えなくなるまでお見送りします。また、お客様からのご信頼をいただけるよう、一人ひとり自分の目標を立ててレベルアップを図っています。やっていること自体はシンプルですが、弊社の場合、やるべきことが明確なため、徹底してそのやるべきことに取り組めるのです。それが競争力に繋がっています。
それが、成長支援シートを導入して更に強みになりました。

3.びわこホームの社員が一所懸命働く理由

― 成長支援シートとは何ですか。

これだけあれば、社員を評価すべき基準というのは他に考える必要がありません。成長支援シートは、文字通り、社員の成長を支援し自立型社員を育成するためのツールです。特別な能力を持った一部の社員だけではなく、普通の社員が将来のビジョンやキャリアプランを考えながら着実に成長していける会社を目指し、株式会社ENTOENTO(エントエント)の成長塾に通いながら作成しました。

成長支援シートでは、成果、業務プロセス、習得スキル、人間性という、社員の成長に関係する全ての要素が網羅されています。社員にどう育ってもらいたいのか、何をしてもらいたいのか、これ以外に考えるべきことは何もありません。このシートに基づいて、役職、成長等級、基本給、賞与・昇給などを決めることが可能です。

― 成長支援シートを導入すると、やるべきことが明確になるのでしょうか。

それは成長支援シートの中に、社員に対して会社が期待する成果、それを達成するための業務プロセス、またはその業務を遂行する上で必要なスキルや知識、さらに心がけるべき勤務態度が、全て示され、それに対する評価基準が明確に示されているからです。それにより、新卒の新入社員を含め全員が同じ方向に向かって努力して、各自が大きな成果を出すことが出来ます。

成長支援シートでは、縦軸に評価要素が並びます。弊社の場合、所属部署・成長階層ごとに異なる成長支援シートを作成していますが、それぞれ15項目ぐらいの評価要素を設定しています。横軸には、項目ごとの評価基準を5段階で示し、それぞれ点数化しています。評価要素ごとの評価点数を合計すると100点満点となります。日常業務の中で、社員が自分で各評価要素に対する評価点数を記録し、それを元にマネージャーが上司評価します。

ここで設定された評価要素と評価基準によって、各自、やらなければならないことが可視化されます。これらは、これまでの社員の成功体験を基に、成果が出る仕組みとして落とし込んだものなので、この通りにやれば全員同じように成果が上がります。最終的な評価は全上司が集まる成長支援会議で決定しますので、上司によって指示や評価基準が異なるということも起こりえません。

成長シート
縦軸に評価要素、横軸に5段階の評価基準が取ってあり、最後に社員が自ら評価点数を記入する。

4.歩合給制を廃止し、成長支援シートを導入

― 成長支援シートを導入した経緯を教えてください。

弊社が成長支援シートを導入した時期は、2009年9月です。2008年10月から成長塾に通い、半年かけて人事制度を構築し、5か月間試験的に運用した後、本格導入しました。
導入理由は、永続する会社を作りたかったからです。

導入以前は、歩合給という給与制度を持っていました。不動産業界では当たり前の制度なのですが、この制度をずっと変えたいと思っていました。
売ったら売った分だけ歩合がもらえる。売れなければもらえない。確かに、表面上はとても社員の納得を得やすい制度です。稼ぎたいという意欲を持った社員が、徹夜も惜しまずに仕事をし、ときには年収1,500万円となる社員も出ました。

しかし、無茶な仕事の仕方ができるのも35歳くらいまでです。そこからだんだん年収が下がっていきます。子どもが受験をする、塾に通う、高校や大学に進学するという一番お金のかかる時期に、収入が下がるのです。そうして稼げなくなると、社員は辞めていきます。

社員が幸せになる会社をつくるというずっと抱いていた理念に沿わない。社員を幸せにするために歩合給をなくしたいと、ずっと悩んでいました。
また歩合給制は、個人プレーに繋がりやすく、不公平感を生み出していました。

販売成績の良い営業社員は高い給料を取れますが、成績が伸びない営業社員や営業以外の間接部門の社員は給料が増えません。入社たった3か月で辞める社員もザラでした。社員の名前を覚える間もなく、社員が入れ替わっていたようなときもあります。

さらに、マネージャー職には役職手当が付きますが、前線に立つ営業マンは新築住宅を一棟売るだけで役職手当とは比較にならないほどの歩合給を得ることが出来るので、前線から離れたマネージャー職には誰もなりたがりません。引き受けたとしても嫌々やっている状態ですから、部下が育つはずがありません。いつの間にか、社内はギスギスした雰囲気になって、社員が定着しにくい会社になっていました。

さらに憂慮すべきこととして、顧客が欲しがっている商品ではなく、自分の給料のために顧客のニーズとは関係ない、価格が高い方の商品を売る社員が現れました。
我々は強い危機感を持ちました。目先の2~3年間、人より沢山稼げたら良いという社員しか残らない会社では永続することは出来ません。社員を幸せにすることもできません。会社を永続して、社員全員に長く働いてもらって、幸せな人生を送って欲しい。そのためには歩合給制を廃止しなければならない、と気が付いたのです。

― 歩合給制の廃止にあたって、心配されたことはありましたか。

歩合給を廃止すれば、営業社員のモチベーションが下がり、売上を稼いでいる上位の何名かのトップ営業マンが退職する可能性がありました。それによって、業績を維持・発展させることが出来なくなる心配はありました。また、歩合給制に代わる給与制度または人事制度が必要ですが、それがどのような制度かイメージ出来ませんでした。

そのような葛藤が続いていた時、経営者仲間から「人事制度に特化したコンサルティング会社がある」と紹介されたのがENTOENTOです。その話を聞いて可能性を感じた我々は、歩合給制の廃止を決めました。そして、それに代わる人事制度を構築するために、ENTOENTOの成長塾に参加しました。

5.ENTOENTOスタッフと一緒に成長支援シートを作っていった

― 成長塾に参加する前に、他の人事制度コンサルタント会社などとの比較はされましたか。

社員と社員の家族を守りたいという社長の想いが伝わってきた。いえ、他に選択肢はありませんでした。
成長塾で教える人事制度の考え方は、いわゆる成果主義とは対極にあります。そのような考え方を仕組みとして体系化しているコンサルタントは他に知りません。新しい人事制度を構築する決意で、迷わず参加しました。
実際に参加してみると、第一回目の受講の場で松本先生から「いわゆる成果主義や歩合給制は良くない」という話を聞いて我々が目指す方向性に確信が持てました。

― 成長塾に通いながら成長支援シートを作成していく過程はどのようなものでしたか。

作業は大変でしたが、松本先生の指導と、ENTOENTOスタッフのサポートがあったので、最後まで投げ出さずに作成することが出来ました。
成長支援シートの作成で行き詰ると、ENTOENTOに電話しました。成長支援シートの内容からパソコンの操作に至るまで、どんな時も一所懸命、丁寧に教えていただきました。こちらも必至でしたが、ENTOENTOはその必死さに応えてくれました。一緒に作り上げた、という感覚です。

成長支援シートを含む人事制度をゼロから作っていく過程は、大変なパワーが必要です。全6回講座きちんと通って、一つ一つのカリキュラムを積み重ねなければ作れません。研修会場で講義を受けて、課題を社内に持ち帰って作り上げていくのですが、事例はあっても、丸写しできるものではありません。経営者の想いが反映したものでなければ意味はないし、かといって経営者一人の想いだけで作れるものではない。3人の幹部が会議室に閉じこもって、議論を重ねました。その中で苦労したのは3人の意見を一致させることです。なかなか一致せず、数えきれないほど作り直す作業を繰り返しました。

― 半年かけて人事制度、そして成長支援制度が完成した時はどのようなお気持ちでしたか。

成長塾に半年間通って人事制度、成長支援シートを作成しましたが、それで完成ではありません。それは成長塾の中でも、言われたことです。実際に導入して見ると、変更すべき箇所が出てきます。実際に社員がシートで自己評価しようとすると、「わかりにくい」「評価しにくい」ということが出てきました。

6.社員が成長を実感できるツールじゃないと導入した意味がない

― 現在の成長支援シートにたどり着いた経緯をお聞かせください。

最初に作った成長支援シートは部署ごとに作成してあり、評価要素は23~25項目ありました。しかし、実際に社員に評価させてみると、部署ごとという分類では大雑把すぎるということが分ってきました。なぜなら、同じ部署に所属していても、1年目の社員と2~3年目の社員では、会社が期待する成果や業務内容が違うからです。1年目とベテラン社員ではなおさらです。つまり成長支援シートに書いてある評価要素全てが、その部署全員に当てはまるわけではありません。

普段自分がやっていない業務で評価点をつけることは不可能です。無理に評価しようとするとその評価要素の評価は5段階の「1点」となってしまいます。また、評価基準も、出来るだけ明確にランク付けしたつもりでしたが、あいまいな基準が残っていました。

これでは、社員自ら評価する成長支援シートが、社員のストレスになってしまいます。
成長塾の教えでは、人事制度は、社員を評価するための制度ではなく、社員の成長を支援するための制度です。その教えに従えば、成長支援シートは、社員たちが前向きに取り組める内容でなければいけません。自分で評価点をつけることで、社員自らが自分の成長を実感出来ることが重要なのです。問題があるまま1年間過ぎたら、社員が自分の成長を確認するという本来の機能が果たせないため、やりにくい要素があれば修正しました。

弊社では毎月マネージャーと社員の面談を行い、成長支援シートをもとに月々の成果を確認します。その質疑応答の中で成長支援シートの問題を抽出して報告してもらいました。そこで気が付いたのは、極端に言えば社員一人ひとりに応じた成長支援シートが必要だということです。実際には、35人の社員ごとの35種類ありませんが、部署と成長階層によって細分化して作った結果、現在の20数種類になりました。

7.トップ営業マン4人が退職。しかしリーマンショック後も業績を維持

― 成長塾に通い始めてから本格導入までの約1年間、歩合給をやめるという方針に対して、社内の反応はいかがでしたか。

我々が危惧していた通り、トップ営業マン達からは反発がありました。また、他の社員たちからも、モチベーションが下がった営業社員がやめた場合の会社の経営を心配する声がありました。
しかし、我々としては、この制度改革をやりきらない限り会社の永続はない、社員を幸せにできないという信念があったので、1年かけて説得する覚悟を決めました。

「子供が中学校、高校と一番金が要る時に、売れへんかったらどうしようと、そんな怖い会社あかんやろう」と説得をしましたが、結局、営業部長を含めた営業社員4人が退職しました。

― それによって、どのような影響があったのでしょうか。

トップ営業マンの4人がやめたことは残念なことです。しかし、それで業績が落ちることはありませんでした。リーマンショックによる不景気時も業績を維持し、昨期は前年比約14%の増収となりました。
導入までの1年間で、全社員と対話を続け、歩合給制を廃止することの目的や意義は、残った社員達の間に浸透しており、成長支援シート導入効果はすぐに現れたのです。

8.個人の成果から会社の成果へと価値基準がシフト。社員がやめなくなった

― この成長支援シートを活用した新人事制度導入によって、会社はどのように変化しましたか。

びわこホームの新卒採用ページ。成長支援シートによって、新卒社員も活躍できる環境が実現している。最も重要な変化は、個人の成果から会社全体の成果へと価値基準がシフトし、理念が統一出来たことです。個人プレーに走る社員がいなくなり、チームワークが形成され、社内の雰囲気が良くなりました。そして、離職率が低下しました。

弊社では、賞与の原資を、経常利益の一定割合と決めています。そして各自の評価点数に従って、その原資を全社員に分配します。個人や部門のみではなく、びわこホーム全体で目標を達成しなければいけないという意識を全員が持ち、ノウハウを共有するようになりました。

また、社員が自分で目標を立てて動くことが出来るようになりました。成果を上げるため、また自分が成長するためにすべきことが明確になった分、手持ち無沙汰な無駄な時間がなくなりました。それは同時に、マネージャーの業務も楽にする効果もありました。管理するポイントが絞れるようになり、余計なことを考える必要がなくなったからです。
さらに、 成長支援シートの導入によって、社員の人生設計もしやすくなりました。成長支援シートに基づいた長期計画で、5年後、10年後のキャリアパスが見えるからです。

― 人事制度に関連して、今後はどのようなビジョンをお持ちですか。

成長支援シートは本来、社員の成長を支援するためのツールです。今後、2年、3年、5年と、びわこホームというグラウンドで仕事をすることで、各社員が成長し、夢を実現し、幸せに一歩ずつ近づいていくということが、経営者としてのミッションだと考えています。

仮に22~23歳で入社した社員が、数年後、上場企業に就職した同級生と自分を比較した時に、自分の方が成長できている、給料も多い、といった実感が持てれば、会社に対する誇りを持てるでしょう。そんな風に社員全員が成長し、幸せを実現することが出来た、そんな言葉を社員自身から聞けるようになれたら嬉しいですね。

9.今後人事制度を作っていきたい経営者に対するアドバイス

― 今後、人事制度を構築しようとしている企業へのアドバイスをお願いいたします。

本気で実践するつもりなら、成長塾に行くのが一番です。
よく他の経営者が視察に来られて話を聞いて行かれるのですが、我々はそのプロではないので自分達が体験した以上の話は出来ません。実際に、そのようにアドバイスさせていただいた中から、受講された方も数名いらっしゃいます。
成長塾には、同じ問題意識を持った経営者が集まって来ます。そこで問題意識を共有して、切磋琢磨したり、情報交換したり、そういった体験が出来ることも貴重です。

また、年に一回、成長塾の研修を修了した経営者が集まる全国大会があります。同じ中小企業の経営者ばかりが集まり、成功事例や苦労された事例などを発表する大会です。共感出来ることや勉強になることが多い貴重な機会です。
こういったことも含め、人事制度や社員の成長に関して悩んでいる経営者の方は、ぜひ成長塾に参加されることをお勧めします。

10.ENTOENTO成長塾への今後の期待

― ENTOENTOまたは成長塾への今後の期待をお話しください。

成長塾を受講し、成長支援シートを作成した後も、全国大会に参加する他、メールやニュースレターを送っていただくなど、弊社とENTOENTOとのお付き合いは続いています。
今後の日本では企業における”人”の問題は、成長支援に留まらず、様々なリスクが発生してくることが予想されます。そのリスクに備えるためにも松本先生からヒントをいただいて、しっかり対応していきたいと考えています。

びわこホーム様

びわこホーム株式会社様、本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。


びわこホーム株式会社様のホームページ
※ 取材日時 2011年10月



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